カーオーディオの楽しみどころの1つでもある「サウンドチューニング」について、仕組みから扱い方まで幅広く解説しようと試みている当コーナー。まずは「イコライザー」をテーマにお届けしている。第3回目となる今回は、「タイプ解説・その1」と題してお贈りする。さて、「イコライザー」には、いろいろなタイプがある。仕組みとして2タイプ、そして機能の詳細さでいろいろな設定がある。今回はまず、機能の詳細さの違いについて解説していく。機能の詳細さ違いとはズバリ、“バンド数”の違いとなって表れる。もっとも簡単なものになると、2バンドタイプとなる。なお、2バンドタイプの場合は「イコライザー」とは呼ばれずに「トーンコントロール」と呼ばれることがほとんどだ。「バス」と呼ばれるバンドで100Hzあたりの低音をコントロールし、「トレブル」と呼ばれるバンドで10kHzあたりの高音をコントロールする(具体的な周波数帯は機種によって異なる。また、もう1バンド、中域のバンドを加えた3バンドタイプの「トーンコントロール」もある)。ところで前回までの解説の中で、「イコライザー」とは、「音響特性の乱れを“補正”するための機能である」と記した。この意味合いからすると、確かに2バンドタイプの「トーンコントロール」は、「イコライザー」とは呼びにくい。2バンド、もしくは3バンドでは、触れるバンドが少なすぎるので、詳細な“補正”を行うのは難しいからだ。ちなみに、人間の可聴帯域は、20Hzから20kHzと言われている。年齢とともに高音が聴こえづらくはなるのだが、とりあえず20kHzまで聴こえるとすると、その音程差は10オクターブ。ここまで広範囲の音程差を2バンド、もしくは3バンドだけでは、到底、カバーしきれない。であるので「トーンコントロール」は、あくまでも簡易的な“補正”のための機能、もしくは聴こえ方の“味付け”的な機能と考えるといいだろう。なお、そこから機能がワングレード上がると、5バンドくらいの設定となり、市販AV一体型ナビの上級機クラスでは、13バンドくらいの設定となっている。13バンドタイプともなると、1バンドの担当帯域が1オクターブを切ってくるので、“補正”的な運用も可能となってくる。今回はここまでとさせていただく。次週も「イコライザー」のタイプ解説を続行する。お楽しみに。