マツダが、初代「ロードスター」を対象に、レストアサービスの開始を発表したのは記憶に新しいところ。クルマ好きには歓迎すべきことだが、こうした動きの裏には何があるのだろう?今回、マツダが開始するサービスは、レストア事業とパーツの再供給という二本の柱からなる。レストア事業は、ユーザーから預ったロードスターをオリジナルに近い状態にクルマをリフレッシュする。2017年内に受付を開始し、2018年初頭よりサービスを始める予定だ。作業を行うマツダ社内の施設は、テュフ ラインランド ジャパンからクラシックカーガレージ認証取得を予定しいて、高い品質でのレストアを目指す。また、パーツの再供給では一部パーツを復刻、2018年初頭より販売を開始する。オリジナル状態にこだわり、ビニール生地のソフトトップ、ブリヂストン製タイヤSF325、NARDI製ウッドステアリング/シフトノブを現在の技術で復刻させる。その他の部品供給についても、ユーザーとの対話を通じ展開していく方針だ。他方で、ホンダでは「ビート」の純正部品の生産を一部再開することを決定した。誕生から26年が経過しているものの、未だ根強い人気を誇る“名車”の部品再生産には注目が集まる。奇しくも、日本車の“黄金時代”を支えたクルマ達に再びスポットライトが当たる形だが、こうした、自動車メーカーの動きは、既にポルシェやジャガー・ランドローバーといった海外メーカーでは始まっており、日産自動車などの国産メーカーにも広がりを見せている。その背景が凝縮された言葉が、先のトヨタとマツダの資本提携会見に豊田章男社長が発した、「私たちはとことんクルマづくりにこだわり、未来のクルマを決してコモディティ(汎用品)にはしないようにする」という一言。急速に進展する自動運転やAI化により、クルマがただの移動手段となってしまう危機感は、自動車に関わる全ての人が感じていることだ。「クルマは楽しいもの」というメッセージを込めて、いよいよメーカーも動き始めた。“クルマ屋”の魂の灯は決して消えることはない。同時に、愛車を大切にするユーザーにとって、この上なく心強い追い風となるだろう。◆テュフ ラインランドとは140年の歴史を持つ世界でもトップクラスの第三者検査機関。世界中に拠点を持ち、従業員数は19,600人、年間売上高は19億ユーロにのぼる。第三者検査のエキスパートとして、産業用装置や製品、サービスの検査だけではなく、プロジェクト管理や企業のプロセス構築もサポートする。自動車分野では、ドイツで運転免許試験を行い、ドイツなど数カ国で車検サービスを提供しているほか、自動車メーカーや部品メーカー向けの国連および欧州型式認証(ホモロゲーション)の技術機関としても活動。またオートアフターマーケットでは、鈑金塗装工場向けの監査・認証サービスに加え、ドイツでは第三者アジャスターサービス、世界各国でディーラーや一般整備工場向けの監査・認証サービスを提供している。最近では、クラシックカーの評価・査定サービスなども提供していて、自動車文化への貢献もしている。
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