パイオニアが8月30日に発表したドライブレコーダー3機種は、全機種でGPS対応とした他、新たに偏光フィルター取付を可能にして鮮明な映像記録を実現。ADAS時代に合わせた新機能を搭載して登場した、その魅力を探った。トップモデルは「ダブルレコーディング機能」を搭載した「ND-DVR30」で、ボディは従来機種のDVR10と共通となっているものの、その内容は大きくグレードアップした。ダブルレコーディング機能は接続した二つのカメラからの映像を記録できるというもの。別売のフロアカメラ「ND-FLC1」(オープン価格)を組み合わせて車内映像との同時記録ができるほか、別売の分配機「RD-VRD10」(4000円)との組み合わせでは装着済みのバックカメラを組み合わせることもできる。撮像センサーの能力も大幅に高められ、約300万画素CMOSによって最高で3M高画質映像(2304×1296p)が記録できるようになった。画角もさらに広がって、水平110°/垂直56°/対角132°(DV10はそれぞれ105°/55°/127°)まで拡大。最大50分までの駐車監視機能も備えた。中でも見逃せないのが新たに偏光フィルター「AD-PLF1」(3000円)を取り付け可能としたことだ。これまでドライブレコーダーは直射日光を受ける位置に取り付けられることが多く、ドラレコ本体がフロントガラスに映り込むのは避けられなかった。当然、映像はその映り込みがある状態で記録され、その分だけ不鮮明となっていた。フィルターはカメラ部の前に取り付け、モニターを見ながら周囲のリングを回転させて最も映り込みが少ない位置を選ぶだけで効果が発揮できる。センサーをDVR30と共通とし、偏光フィルターを標準装備したのがND-DVR20だ。ダブルレコーディングを必要としないならこのモデルがオススメとなるだろう。ND-DVR30とND-DVR20では、急加速や急減速、急ハンドル、速度超過など、危険と判断される挙動を検知すると、アラーム音と同時にその前後の映像をイベントファイルとして保存する「危険挙動録画機能」も搭載した。最もベーシックなモデルとなるのが「ND-DVR40」で、この機種だけは本体をフロントガラスに直接取り付けるタイプとなっている。画像センサーこそ従来のDVR10と同じ約207万画素(1920×1080P)だが、ボディの形状からガラスへの映り込みも抑えられるだけでなく、同時に最近装着が進むADAS系ユニットの映り込み防止にも貢献しそうだ。全機種共通でGPSによる位置情報記録を実現し、準天頂衛星みちびきにも対応。記録した映像には位置情報が正確に記録される。駐車中に衝撃または動体を検知すると最大約50分前方風景を録画する「駐車監視機能」も備えた。一方で、付属するマイクロSDカードはDVR10の32GBから8GBへとサイズダウン。自動的に最新映像に上書きされるだけでなく、緊急停止時や任意に記録したイベントファイルは別フォルダに保存されるため、少ない容量でも不足はないとの判断だろう。今回の3機種投入により、パイオニアのドライブレコーダーはカーナビ連動型のND-DVR1を含め全5機種へとラインナップを拡充。豊富なラインナップで広がる需要に幅広く対応していく考えだ。