今や自動車の構成部品でもかなり多くを占める樹脂パーツ。高い力と高温という過酷な環境下で、しかも耐久性も求められる自動車を構成する部品。こんなところにまで樹脂パーツが使われているのかと「人とくるまのテクノロジー展2017横浜」の会場のigusのブースを訪れると、その活用領域の広さに驚かされるかもしれない。「今では軸受けからベアリングなどでも樹脂パーツは広く用いられています。度重なる試験も実施しており、例えばこの軸受け一つ取っても、2トンくらいの力がこの上にかかっても壊れることはありません。また耐熱性や、潤滑剤、耐薬品性を高めるなど材料開発は私どもの得意とするところ。応用範囲は自動車に限らず多岐にわたります」と話す。樹脂=子供のころから触れてきたおもちゃのプラスチック、のような脆弱な感覚はもはや捨てなければならない。「実は樹脂の特徴として肉薄な形状ほど作りやすく、熱も逃げやすくなるのという好ましい特徴があります。形状もよりコンパクトにでき、さらに構造的にもシンプルに仕上げることも可能にします」と、色とりどりの樹脂パーツ、igus自慢のイグリデュールの軸受けのサンプルを前に話す担当者。潤滑油のいらないベアリングや軸受けは、食品関係の器機や、人の手が触れる箇所に近い場面でも活躍できるし、構造がシンプルなので異物を噛み込むむ心配がないために、農業機械など汚塵環境でも採用例は多いという。しかし、樹脂成型で軸受けを作るには、その形状も真円が出ていなければならないが本当に大丈夫なのだろうか。「実は弊社の強みは材料の開発に加え、射出成型技術の高さも得意とする分野ですし樹脂パーツを作る上で肝となる部分です」と担当者は紹介する。熱に関しても摂氏250度程度までは対応できるそうなので、内燃機関の内部とかでなければ、自動車でもかなり応用範囲は広いのだそうだ。簡単に製造できて、安価で耐久性にも優れる樹脂パーツ。クルマのこれからを見ていくうえで、合わせて注目していきたい分野と言えるのではないだろうか。
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