多摩大学ルール形成戦略研究所は、「サイバーセキュリティ国際標準化研究会」を創設したと発表した。研究会は、サイバーセキュリティの国際標準に沿った日本のサイバーセキュリティ水準のあり方を政産官学横断で検討するもの。研究会は経済産業省商務情報政策局サイバーセキュリティ課と、米商務省配下の米国国立標準技術研究所(NIST)の協力を受けて運営する。座長には、衆議院議員、自民党IT戦略特命委員会事務局長で、同研究所の客員教授も務める福田峰之氏が就任する。研究会では今年12月に政府へ提言する。民間企業の事務局はデロイト トーマツ コンサルティングが担当し、設立時の参画企業は日立製作所、大日本印刷、東芝、トヨタ自動車、ヤフー、リコー、TISを含む計14社。今後、自動車、電機、重工業、IT、エネルギー、ヘルスケアなど幅広い業界から参加企業を募る予定。NISTは現在、有力民間企業とも緊密に協働してサイバーセキュリティの技術標準の構築を進めており、EUでもサイバーセキュリティ関連法制強化の動きがある。日本では、各企業のサイバーセキュリティレベルが、国際的に求められる技術標準にどの程度準拠しているかを把握するための指針が存在しない。研究会では、海外で着々と形成されつつあるサイバーセキュリティ技術の標準化、法制化に関する最新動向を研究し、日本の産業界に必要なサイバーセキュリティレベルの特定、これをテコにしたグローバル市場での成長戦略を加速させることを目指す。研究会では、NISTとも協力して米国を中心とする世界のサイバーセキュリティフレームワーク標準化の動向や有力企業のサイバーセキュリティの取り組み状況に関する情報をいち早く入手する。また、NISTなどから専門家を招へいして、当該分野での最先端の知見共有や、直接的な情報交換も行える体制を整備する。
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