たくさんの案件を抱えながらも“用意周到”の段取りが功を奏したのか、メディアが取り上げた記事をみる限りでは、いわゆる“シャンシャン総会”のお手本とも思えるようだ。
トヨタ自動車が、定時株主総会を愛知県豊田市の本社で開いたが、出席株主は過去最多となる6752人だったものの、トヨタの源流企業の豊田自動織機の株式非公開化や、トランプ米政権の関税政策に関する言及は経営陣からなく、株主からの質問もでなかったという。
きょうの各紙の見出しにも温度差がみられる。このうち、読売、産経は経済面のトップで「日野自の統合に言及『風土改革最も大事』」(読売)や「商用2社統合『民間主導』強調、会長再任を可決」(産経)。日経も「トヨタの市場重視を信任」として、豊田章男会長の再任賛成が「96%台」などと、ビジネス面に詳しく取り上げている。
このうち、読売によると、豊田章男会長は、傘下の日野自動車と三菱ふそうトラック・バスが経営統合に向けた最終合意を結んだことに関し、「ダイムラートラックが三菱ふそうや日野のブランドを残したいという意見だった。ここにかけようと思った」と話したという。
さらに、経営統合で、日野はトヨタの持ち分法適用会社の対象から外れるが、株主から「どういう姿勢で臨むのか」と問われ、中嶋裕樹副社長は「技術の面で新しい会社を応援したい」と述べたほか、量産に必要な認証「型式指定」を巡る不正問題に関する質問では、中嶋氏は「部署間の情報のやりとりが複雑だった。最も大事なのは風土改革だ」と応じ、改革を継続すると強調したそうだ。
一方で、朝日は「トヨタ株主総会会場参加が最多」が見出しで「昨年より4分短い1時間47分で終了」などと報じたほか、毎日も「会長ら取締役選任案を可決」をタイトルにしており、両紙とも1段の短い記事。また、社外取締役を送り込んでいる中日新聞と連携する東京は未掲載だった。
2025年6月13日付
●インド旅客機墜落、242人搭乗市街地に、離陸直後、200人超死亡確認 (読売・1面)
●トヨタ株主総会、日野自の統合に言及「風土改革最も大事」(読売・8面)
●インタビュー、ソニー変革のかじは、ソニーグループ・吉田憲一郎 (朝日・13面)
●相互関税停止「延長」日本含む18か国・地域課、米財務長官(毎日・1面)
●景況感マイナスに、自動車・鉄鋼減速、5期ぶり、4~6月期(毎日・4面)
●三菱自、4万1134台リコール (産経・20面)
●日欧トラック再編、手放した虎の子「ランクル」羽村工場譲渡、日野自、トヨタ離れ難路続く(日経13面)
●全軽自協、赤間氏が会長続投 (日経・13面)