アストンマーティンとカーブレーシングシミュレーターズ社は3月26日、最新のレーシングシミュレーター「AMR-C01-R」を発表した。これは2020年に発売された「AMR-C01」の進化版で、より没入感の高いレーシング体験を提供するという。
新モデルは、アストンマーティンのデザインチームとカーブレーシングシミュレーターズ社が共同開発した。カーブレーシングシミュレーターズ社は、ル・マン24時間レース3度の優勝経験を持つシミュレーター専門家のダレン・ターナー氏が率いている。
AMR-C01-Rは、前モデルの特徴であるカーボンファイバー製モノコックボディとアストンマーティンレーシングのシグネチャーグリルを踏襲している。新たに、アストンマーティン『ヴァルキリー』にインスパイアされたシート位置が採用され、特に背の高いドライバーにとって快適性とアクセシビリティが向上した。
技術面では、49インチの湾曲ディスプレイ、240Hzのリフレッシュレート、1msの応答速度など、最新のハードウェアが搭載されている。グラフィックスカードはNVIDIA GeForce RTX 5090に進化し、プロセッサーはIntelの第14世代を採用。メモリは32GB、ストレージは2TBと、前モデルから大幅に強化されている。
アストンマーティンのチーフクリエイティブオフィサー、マレク・ライヒマン氏は、「このシミュレーターは、実際のアストンマーティンをサーキットで運転する体験に最も近い」とコメントしている。
AMR-C01-Rは50台限定で、価格は5万8750ポンド(約1150万円、税別)。初回デリバリーは4月を予定している。
この新モデルは、高級車メーカーがeスポーツやバーチャルレーシング市場に本格参入する動きを示すものとして注目される。実車の開発技術をシミュレーターに応用することで、より本格的なレーシング体験を提供し、ブランド価値の向上にもつながると見られる。