ただ広げるだけじゃ意味なし!?  最強の「トレッド幅」チューン完全ガイド | CAR CARE PLUS

ただ広げるだけじゃ意味なし!?  最強の「トレッド幅」チューン完全ガイド

特集記事 コラム
ただ広げるだけじゃ意味なし!? 最強のトレッド幅チューン完全ガイド~カスタムHOW TO~
  • ただ広げるだけじゃ意味なし!? 最強のトレッド幅チューン完全ガイド~カスタムHOW TO~
  • ただ広げるだけじゃ意味なし!? 最強のトレッド幅チューン完全ガイド~カスタムHOW TO~
  • ただ広げるだけじゃ意味なし!? 最強のトレッド幅チューン完全ガイド~カスタムHOW TO~
  • ただ広げるだけじゃ意味なし!? 最強のトレッド幅チューン完全ガイド~カスタムHOW TO~

左右タイヤの距離であるトレッド幅。レーシングカーではオーバーフェンダーなどで幅が広げられている。トレッド幅が広いほど横方向への踏ん張りが強くなり、高いスピードでコーナリングできるからである。

ならばできるだけインセットを0に近いホイールにして、タイヤを外に出せばどんどんコーナリングは速くなるはずだが、そう簡単に効果が得られないのが実情。どうすれば効率よくトレッド幅チューンの恩恵を受けられるのだろうか。

◆接地面が広がるから有利になるわけじゃない!?

自身の足の幅と同じく、左右のトレッド幅を広くすればそれだけ強く踏ん張れるようになる。だが、その方法によって効果が得られるかが変わってくる。

ホイールのインセットを35から25にしたら、タイヤは10mm外側に出る。その分だけトレッド幅が広がる。しかし、ホイールのインセットだったり、スペーサーやワイドトレッドスペーサーを入れてトレッド幅を広げると問題が起きる。

それはハンドルを切った時にタイヤがアウト側タイヤは進行方向前に、イン側タイヤは進行方向後ろに移動してしまうことから起きる。本来はタイヤのトレッドの中心あたりと軸としてタイヤは左右に切れていくが、スペーサーやホイールでワイドトレッドにするとこのタイヤが向きを変える軸がトレッドの内側に移動してしまう。そうなるとフィーリングとしてはダルくなり、思ったよりも曲がらない。アンダーステアなフィーリングに感じやすい。

サーキットでベストタイムを更新しようと、オーバーフェンダー化してワイドトレッドスペーサーで思い切ってトレッド幅を30mmや40mm広げても、意外と効果がなくてタイムアップしなかったということにつながる。

街乗りやワインディングでも、踏ん張りが良くなるはずがなんか曲がるフィーリングがいまいちで、むしろコーナリングの切れ味が落ちた、なんてことが多い。それらはやはりフロントタイヤが曲がるために向きを変えていく軸がズレてしまっているのが原因。

ではどうすればいいのか。レーシングカーやタイムアタックの世界できちんとトレッド幅を広げる効果を得るなら、ホイールのインセットはそのままにアームを延長するしかない。アームを伸ばしてホイールの取付面ごと外に出す。そうすればタイヤのトレッドの中心を回転軸としながら、トレッド幅を広げることができるのだ。

◆性能を確保してしっかりと対応するには申請が必須となる

しかし、問題になるのがロアアームの延長などはきちんとした申請が必要になること。強度検討書をもとに事前に申請し、陸運局での検討が終わってから車両を持ち込んで検査となる。

とはいえ、アーム延長までしなくても、とりあえず太いタイヤを履けばそれだけグリップ自体は上がるので、コーナリング時の踏ん張りは増す。しかし、それだけでは性能を最大限に引き出しているとは言えない。最大限の効果を得るにはアームを伸ばすのが最善の方法となる。

延長アームにするなら、ブッシュも強化しておきたい。サスペンションアームはゴム製ブッシュを介して取り付けられている。そうなると強い荷重や入力があった際にはゴムが潰れてアライメントがズレてしまう。コーナリング中にアームのブッシュが潰れてタイヤが思っている向きではない方向を向いていることがあるのだ。

そのためせっかくなら強化ブッシュかピロボールを投入したい。ピロボールは潰れることがないので荷重が強くかかってもダイレクトなハンドリングを維持できる。ピロボール自体は車検には関係ないが、ピロボール入りの社外メーカー製アームにするとこちらも申請が必要になるので、どうせなら延長アーム化するときにまとめてやっておきたい。

ただ広げるだけじゃ意味なし!? 最強のトレッド幅チューン完全ガイド~カスタムHOW TO~

《加茂新》

関連ニュース

特集

page top