自動車の世界販売台数に“地殻変動”が起きているようだ。国内の大手自動車メーカーが昨年(2024年)1年間に世界で新車を販売した台数が発表になったが、すでに報じられたようにトヨタ自動車グループは5年連続で世界首位を維持したという。
ダイハツ工業や日野自動車を含めたトヨタグループは認証不正やリコール(回収・無償修理)が影響して前年比4%減の1082万1000台となったものの、独フォルクスワーゲングルーブ(903万台)を大きく上回った。
一方で、経営統合に向けて協議を始めたホンダと日産自動車は、中国の自動車大手・比亜迪(BYD)に抜かれたという。ちなみにホンダは5%減の380万7000台、日産が1%減の334万8000台と販売台数を減らしており、両社とも稼ぎ頭としてきた中国市場での苦戦が影響したようだ。他方、価格競争力が高いその中国勢ではBYDの躍進がめざましく、公表済みの販売台数は41%増の427万台でホンダ・日産両社とは明暗が分かれた。
また、スズキは昨日(1月30日)、インドで生産している5ドアモデルの『ジムニーノマド』を日本でも4月3日から投入すると発表するなど、稼ぎ頭のインドや国内を中心に販売が好調で6%増の324万8000台。日産との差はわずか10万台に迫るなど、25年には逆転する可能性もあるようだ。
きょうの各紙にも24年の世界自動車販売の記事を取り上げているが、朝日、東京、日経のタイトルは「トヨタ5年連続首位」よりも「BYD攻勢、ホンダ・日産上回る」(朝日)のほうがメインで目立っていた。このうち、東京は関連記事で「BYD、技術と価格で躍進止まらず」として「中国メーカーの猛攻がホンダと日産の背中を押した面は否めない」とも。
2025年1月31日付
●米旅客機と軍ヘリ衝突、ワシントン近郊川に墜落、当局「生存者なし」乗客乗員64人 (読売・1面)
●トヨタ、5年連続世界一、昨年販売1082万台北米HV%増 (読売・2面)
●電通に罰金3億円判決、東京地裁、東京五輪めぐる談合 (朝日・1面)
●日産、米工場で生産縮小、経営統合へリストラ策 (朝日・2面)
●5ドアのジムニー期待大、34センチ長い「グローバルモデル」4月発売(朝日・7面)
●米テスラ営業益23%減,10~12月期 (産経・10面)
●BYD,ホンダ・日産超え、24年世界販売 (東京・4面)
●ホンダ、四輪開発本部を新設 (日経・15面)
●日野自、赤字が拡大、今期最終2650億円、認証不正で追加費用 (日経・19面)