夏を前に知っておきたい!カーエアコンメンテナンス | CAR CARE PLUS

夏を前に知っておきたい!カーエアコンメンテナンス

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暑い夏がもうすぐやってくる。近年、猛烈な暑さが続く日本において、しっかりメンテナンスをしておかないと取り返しがつかないことになりかねないのがカーエアコンだ。 そこで今回は、カーエアコンの不調の症状別にそれぞれのメンテナンス方法を取り上げる。

エアコンから嫌なニオイがする…

カーエアコンのニオイの原因はいくつか考えられるが、まず確認すべきなのは、エアコンフィルターなどの目詰まりだ。エアコンフィルターの役割の最も大きな部分はエアコン内部(=エバポレーター※後述)の汚れを防ぐことにある。エアコンフィルターが無ければ、空気中の汚れでエバポレーターが目詰まりし、イヤな匂いの原因となったり、カビが繁殖してアレルギーや喘息のもとになったりする。いわば、エアコンフィルターは“クルマのマスク”なのだ。

助手席のグローブボックス裏に装着されていることが多いエアコンフィルター

エアコンフィルターの交換については、前述の通り、目詰まりする前が基本であり、1年ごとまたは15,000kmが目安とされている。目に見えない部分であるが故に、汚れなどが分かりにくいが、読者の皆さんが想像しているよりもフィル ターには汚れやゴミなどが溜まりやすいので、交換の目安となっている距離や時期を参考に交換することをお勧めしたい。  

エアコンフィルターに詰まったホコリや枯れ葉など

なお最近では、エアコンフィルターも高機能化が進んでおり、基本性能の集塵に留まらず、脱臭や抗菌・防カビ、抗ウイルスや抗アレルゲン機能を搭載したものまでさまざまなものが販売されているので、チェックしてみよう。ちなみにエアコンフィルターは自分での交換も可能だが、作業に不安がある場合は、整備工場などプロに任せよう。  

またカーエアコンのニオイが気になった時、特に走行距離が長くなればなるほどチェックしたいのがエバポレーターだ。エバポレーター は、車内のダッシュボード内部などに取り付けられており、車内に送る空気を冷やすパーツで、冷却時に水滴が付着する構造のため長年の 使用で汚れやカビの付着が避けられないのだ。経年劣化によりエバポレーターが汚れてしまったクルマは、前述したエアコンフィルターを交換してもニオイを完全には除去できない。エバボレーターの洗浄は、まず簡易的なエバポレータークリーナーなどを使用し、それでも匂いなどが取れない場合は、信頼できる整備工場などにお願いするのが良いだろう。

エバポレーターの経年劣化が車内のニオイの原因であることも

エアコンの効きが悪い…

クルマに乗ってカーエアコンのスイッチを押しても、全く車内が冷えない…。こんな経験をしたことのあるドライバーの皆さんもいらっしゃることだろう。車が冷えない時にまず試してもらいたいのは、エアコンの設定温度を一番低くし、内気循環にセット。そして最大風量にすること。この状態をしばらく続けて、エアコンが効いてくるかを待ってみよう。それでもエアコンが効かない場合、その原因として前述の「エアコンフィルターの目詰まり」の他に「エアコンガスの不足」 なども考えられる。

エアコンガスは、走行時の振動などで少しずつ漏れてしまうが、数年経っても問題無いという人もいる。エアコンガスの充填は、整備工場やガソリンスタンド、カー用品店などで行ってくれるので、お願いしてみると良い。  

その中で冷えが劇的に改善するという“エアコンガスクリーニング”という選択肢も検討してみてはいかがだろうか。エアコンが効かなくなる原因はガスやエアコンガスのオイル量などに起因することが多いのだが、他にも要因がある。それは 「水分」である。エアコンガスは水素系のため、エアコンシステム内に水分が発生しやすいという特徴がある。

大まかな水分はリキッドタンクなどで除去できるものの、古くなるとその除去能力が低下し、水分が浮遊してしまう。夏場に室内のエアコンをドライモードにすると同じ気温でも体感温度が下がるように、空気中の「水分」は冷えを悪くするのだ。

最近ではそういった水分やガスの汚れを取り除き、適量のガスを充填する機械の導入が整備工場でも増えている。この機械は、一旦車両のガスを回収し、機械に付属されているドライフィルターを通して、ガスに含まれている水分やガスの汚れを綺麗に除去した上で、 再度車両に戻し、車両の方に設定されているガス量に対して不足している場合は、不足分を追加して充填する。

綺麗なガスが車両の規定量充填されることにより、通常のガス充填を行うより吹き出し口の温度が大きく変わることが分かっている。体感として劇的な冷えの改善が見込めるエアコンガスクリーニングという手段もあることも理解し、選択肢として整備工場などに確認してみるのはいかがだろうか。

《CAR LIFE編集部@松岡大輔》

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