年代から2000年代のチューニングカーではダッシュボードにズラリと並べられた複数の追加メーターがカッコよさの象徴だった。
実際にそれだけの数値を把握する必要があったのかは疑問だが、今のクルマほどコンピューターに管理されておらず、常にドライバー側がさまざまな数値を確認しておきたかったということはある。
◆ひとつずつ確認しているのは大変
その頃ではエンジン水温、エンジンオイル油温、エンジンオイル油圧、ターボ車ならブースト圧、NA車ならインマニ負圧、燃料圧力、排気温度などをモニターしながら、どれか数値が上がったり下がることがあれば走行を中止して壊れるのを防ぐというのが普通だった。ところがドライバーはどんな数値かをひとつずつ確認しているのは大変。ストリートならまだしもサーキットで全開走行中にさまざまなメーターを見つつ走るなんてことは不可能に近かった。
そこで生まれたのがワーニング機能だ。なにが異常があったときに赤いランプが点滅するなどして教えてくれるシステム。なんだかわからないがとりあえずワーニングが付いたら走行を中止するとすれば、なにも点灯していなければドライビングに集中できるわけである。
レースの世界では最近はオールインワンメーターが主流。ひとつの液晶パネルにエンジン回転からギア、タイム、各種温度などまで表示される仕組み。こちらもなにか異常があれば知らせてくれるが、なにもなければエンジン回転数とギアが表示されるくらいでその他の情報は表示されないことも多い。
◆ストリートで乗るクルマの場合
では、われわれがストリートで乗るクルマの場合に追加メーターは必要なのだろうか。結論だけ言えば無くても問題はない。でも、あればもっと充実したカーライフが送れるに違いない。純正メーターでも水温が高くなりすぎれば赤いマークが点灯して知らせてくれる。そうなればエンジン冷却系になにか問題が起きていることはわかる。しかし、純正の水温計だとそれ以上のことはほとんどわからないのも事実なのだ。
後付けで水温計を付けておけば細かく数値を確認することができる。たとえば、エンジン暖気の目安にもなる。水温はめったに上がらないがサーキット走行などするならぜひ見ておきたい。純正の高水温警告ランプが点灯は本当にヤバいという温度にならないと点灯しない。そこまでいくとエンジンがノーダメージで切り抜けられるかは正直微妙なところ。後付けの水温計であれば、その手前の温度でクーリングラップを入れることができる。エンジンに対するダメージを防ぐことができるのだ。
エンジンが冷えているときも同じように、数字を見ながら走れれば、エンジンの温まり具合に合わせてペースアップができる。そういった細かいアジャストができるのだ。そこでぜひメーターに欲しい機能は上限のワーニングと下限のワーニングだ。上限のワーニングは水温が高くなったときに警告してくれるもの。純正水温計よりもちょっと低めのところでアラートが鳴るようにしておけばエンジンが熱を持ちすぎることはない。下限のワーニングは温度が低いときに知らせてくれるもの。最近のクルマだとエンジンが冷えているときに青いランプが光って、全開走行をしないように教えてくれる車種があるがあれと同じである。
◆データログ機能があると使いやすい
そしてのこの下限のワーニング機能が油圧計では抜群に役立つ。エンジン内部を潤滑しているエンジンオイルの油圧は最重要項目。油圧が下がるとエンジン内部パーツの潤滑が足りず、エンジンブローに直結する。そのため油圧が下がったらすぐにでも走行を止めたい。しかし、サーキットで全開走行中に油圧計を常に見ているのは不可能。とくに油圧はコーナリング時に落ちやすい。コーナリング時に横Gでオイルが片寄ってしまい、オイルポンプが吸い上げられなくなって油圧がドロップしてしまうのだ。それをサーキット走行でもワインディングでも常に凝視していることはできないわけで、もし油圧が落ちてしまったら即アラートを発信してくれる機能が必須なのだ。
追加メーターではとりあえず水温、油温、油圧の3つをモニターしていれば大きなトラブルは回避できるが、いずれも上限と下限のワーニング機能が仕掛けられるメーターがオススメ。また、あとでログを見れるものも便利。サーキット走行でも普段乗りでも今日はどこまで温度が上がったかなとか、油圧がどれだけさがってしまったか、などをあとで見れるデータログ機能があると使いやすいのだ。最近ではそういった機能を備えたアナログメーターもオールインワンのデジタルメーターなども揃っているのだ。