保険金不正請求問題などで存亡の危機に追い込まれている中古車販売大手のビッグモーターにとっては、決定打となる「止めの一撃」になるのかもしれない。
金融庁が、ビッグモーターに対して、保険業法に基づき、保険代理店登録を取り消す行政処分を出す検討に入ったという。きょうの日経が1面準トップ記事として大きく報じているほか、読売や朝日、産経なども経済面に取り上げている。
それによると、事故車に従業員が故意に傷をつけて保険金を水増し請求するなど、契約者の不利益になる悪質な不正行為が横行していたことを重くみて、管理体制も機能しておらず事実上、業務を継続するのは困難と判断し、保険代理店登録を取り消すことを視野に入れているという。損害保険各社は同社が代理店となっている既存の契約を他の代理店に移し、契約者への影響を最小限にとどめるとみられる。
そのビッグモーターは、業績が急激に悪化しており、保険代理業務もできなくなれば、打撃は避けられない。そんな中、支援先探しも難航しているようで、きょうの読売によると「同業大手のガリバーを運営するIDOM(イドム)は、11月8日までに支援しない考えを伝えていた」という。
記事によると、IDOMはビッグモーターから打診を受けたが、11月に入って、「検討を中止した」と回答したという。買収すれば、販売から整備までをカバーする豊富な顧客データを得られる利点があったが「企業体質が改善していない点が障害だとみられる」とも伝えている。
支援先にはガリバーのほかに、金融大手のオリックスや商社系のリース会社が浮上。当初は10月中にも支援先を見つける予定だったが、店舗前の街路樹に除草剤をまいて枯死させるといった法令順守の欠如などが障害となり、ガリバー以外とも支援の交渉が難航しているとみられるようだ。
2023年11月9日付
●年内解散見送りへ、首相、経済対策に専念(読売・1面)
●ビッグモーター、支援先探し難航、「ガリバー」検討を中止(読売・8面)
●日産、ブラジルで新型SUV、860億円投資(読売・8面)
●金融庁、代理店登録取り消しへ、ビッグモーターに、保険金不正(読売・30面)
●日米22大学参加、中央大チームがV、自動車部白熱eスポーツ(朝日・22面)
●ガソリン価格平均173円40銭、2週連続横ばい(毎日・6面)
●日産とルノー、資本関係見直し、相互出資15%体制完了(日経・17面)
●日産、中国で開発体制刷新、電動車、現地合弁に移管(日経・17面)