米国マップボックス社は10月4日、拡張性の高いAI音声アシスタント「MapGPT」を自動車メーカー向けに提供開始すると発表した。
近年、車載インフォテインメントシステムにおいて音声アシスタントの利用は拡大しているものの、その用途は限定的なものにとどまっている。生成AIの進化スピードを考えると、ドライバーが指定されたキーワードをコマンドとして発話する現在の音声アシスタントは最先端とは言えない。
MapGPTは生成AIの利用を前提として構築した最先端のAIアシスタント。マップボックス社のリアルタイムデータと位置情報サービス、車両の現在地・目的地などに関する詳細な情報を統合し、優れた理解力とレコメンド機能を実現する。目的地の検索はもちろんのこと、ナビゲーションシステムの制御や音楽の再生、レストラン予約など、複数のアクションライブラリを標準モデルとして搭載。これに加えて、エアコンの温度設定など、車両側のシステムを制御したり、EVの充電ステーションや定期点検のWeb予約など、新しいアクションも構築できる。
また、オンライン時はオープンAIの「GPT-3.5」および「GPT-4」の大規模言語モデル(LLM)を、オフライン時にはマップボックス社が提供する小型化されたLLMを使用。これにより、車両がインターネットに接続できない状況でも自宅までのナビゲーションやEV充電ステーションの検索、車両のユーザーマニュアルへアクセスができる。
MapGPTは、音声アシスタントに使用する大規模言語モデル(LLM)をはじめ、参照する情報ソースや実行させるアクション、音声、アバター、性格、ウェイクワードなど、あらゆる要素がカスタマイズできるほか、車両情報やEV充電ステーションなど、独自データとの連携も可能。自動車メーカーはMapGPTを使用することで、より安全・快適かつインテリジェントでパーソナライズされた音声アシスタントを提供することが可能となる。