「いまさら……」と思った人も少なくないようだが、闇が深い問題だけにそれぞれの事情があるとはいえ、ようやく重い腰を上げるようでは、手ぬるい検査にはならないのか。
中古車販売大手のビッグモーターによる自動車保険の保険金水増し不正請求問題で、金融庁が、同社と損害保険ジャパンに対し、9月中旬をめどに立ち入り検査を実施すると通知したという。
◆両社の関係を解明
すでに報道ベースでは報じられていたが、9月4日、金融庁が両社に正式に通知したため、改めて、きょうの各紙も「金融庁立ち入り検査予告」(読売)や「ビッグモーター不正、損保ジャパンにメス」(産経)などのタイトルで、経済面や社会面に取り上げている。
それによると、金融庁職員による立ち入り検査を実施し、不正の横行を招いたとされる両社の癒着にメスを入れ、保険業法上、顧客の利益よりも自社利益を優先するような企業体質の問題が認められれば、業務改善命令などの処分を出すそうだ。
◆SOMPOグループとして企業統治が機能していたか
また、この春まで経済同友会の代表幹事も務めていたSOMPOホールディングス(HD)の桜田謙悟会長は損保ジャパンの取締役を兼務しており、金融庁はグループとして企業統治が適切に機能していたかどうかも注目。「SOMPO HDにも立ち入り検査する可能性がある」(毎日など)とも伝えている。
ビッグモーターの不正問題が、全国紙のニュースとしても取り上げられたのは7月初旬。縦割り行政の中、すでに2か月が経過してからの金融庁の立ち入り検査では、果たしてどこまで闇の解明が進むのだろうか。
2023年9月5日付
●金融庁立ち入り検査予告、ビッグモーター・損保ジャパン(読売・9面)
●静岡3歳放置死1年,園バス安全装置「早く」こども家庭庁(読売・25面)
●EV電池をリサイクル、日産がポータブル電源(朝日・6面)
●ソメイヨシノ×東京タワー、来月23日から交付、都ナンバー(朝日・17面)
●こちら特報部、日産野球部なぜ復活?(東京・20面)
●JFE、2000億円調達、公募増資と転換社債で、脱炭素へ成長投資(日経・1面)
●独モーターショー、欧州で高級EV1400万円も、中国勢、技術・デザインで勝負(日経・2面)
●日産の新型SUV、北米で生産半年延期、メキシコの取引先工場金型の一部盗難で(日経・14面)
●マツダ「CX-5」など値上げ(日経・15面)