真夏の到来を迎え、当コーナーでは前回から「暑さ対策」に関する情報を紹介している。今回は、真夏の炎天下にクルマを止めたときの車内温度上昇対策について考察する。それについてJAFが参考になるデータを公開しているので、それを踏まえて解説していく。
早速、JAFが公開しているテスト結果から紹介しよう。JAFは以下のようなテストを実施した。
8月の晴天の日の正午から4時間にわたり、車両5台の車内温度の上昇の様子を測定した。当日の気温は35度、用意された5台はすべてミニバンで、ボディカラーは1台のみ黒色、それ以外はすべて白で揃えた。そして5台とも事前に室内温度を25度に保ち、実験スタートと同時にエンジンをオフにして(1台のみエンジンオンのままエアコンの作動を継続)、温度上昇の様子がモニターされた。
なお「エアコンオン」以外の車両の状況は次のとおり。黒色の1台は「対策ナシ」。白色の残り3台は、「対策ナシ」「サンシェード装着」「窓開け(3cm)」、以上だ。
で、テストの結果は以下のとおりだ。
1・車内最高温度
対策ナシ(黒) 57度、対策ナシ(白) 52度、サンシェード 50度、窓開け(3cm) 45度、エアコン作動 27度。
2・車内平均温度
対策ナシ(黒) 51度、対策ナシ(白) 47度、サンシェード 45度、窓開け(3cm) 42度、エアコン作動 26度。
3・ダッシュボード最高温度
対策ナシ(黒) 79度、対策ナシ(白) 74度、サンシェード 52度、窓開け(3cm) 75度、エアコン作動 61度。
さて、この結果を貴方はどう見るだろうか。まず、エアコンを作動し続ければ車内温度を適温に保てるが、実際はこれはしにくい。となると、車内温度の上昇をそれに迫るレベルで抑え込む手立てはない、というのが現実だ。
とはいえ、やった方が良いこともまた確かだ。「サンシェード」の使用も「窓開け」も一定の効果は上げられている。
まず「窓開け」は、車内温度上昇の抑制効果は「サンシェード」の使用よりも高い。つまり車内の温度を温める要因となる太陽光を遮るよりも、温まった空気を外に逃がせた方が温度上昇抑制には効く。
そして「サンシェード」の使用は、車内温度上昇の抑制には効果は限定的ながらも、ダッシュボードの温度上昇はかなり抑えられている。さらにいえば、ステアリングの温度上昇もこれと同様の効果が見込める。そうであれば、クルマに乗り込んだときに熱くなったステアリングを触って火傷する可能性も下げられるし、その後車内を冷やそうとするときのエアコンの効き方にも少なからず好影響があるはずだ。
さて、となるとベストなのはズバリ、「サンシェード」の使用と「窓開け」、この両方の実行だろう。にわか雨が降りそうな日には窓開けは向かないが、防犯の観点で気にならないのであれば「窓開け」と「サンシェード装着」を両方実践することで、無対策の場合と比べて温度上昇を抑制可能だ。ぜひお試しを。