6月15~18日に開催された「東京国際消防防災展2023」では、最先端の防災技術や最新の消防車、現在活躍中の消防車が勢ぞろいしていたが、それと同時に過去の災害や事例から学ぶという「現在・過去・未来」がイベント内であった。
そんな「過去」の展示のひとつに、今の消防車のルーツとなる、クラシックな消防車たちも会場各地に展示されていた。
一番古いものは、180年以上昔に馬で引いていたポンプ車「馬引き蒸気ポンプ」。まだ自動車すらない時代のクルマで、過去の戦争の傷跡も残る歴史的な車両となっている。
世界初の本格的な大量生産車であり、人々の足となった『T型フォード』をベースとした、クルマのルーツと消防車とを組み合わせたものも。
海外からはもう一台、アメリカで1960年代から活躍し、なんと2009年まで稼働していたラフランス『900』。現在のものより高さが低い車体だが、その形はすでに現役の消防車と大差ないことが伺える。
日本産としては戦前~戦後に活躍したオート三輪の消防ポンプ自動車『コメット号』が登場。このオート三輪が製造された時代にはすでに四輪消防車も製造され始めていたそうだが、そのコストの安さからたくさん製造・配備されたそうだ。
変わり種として紹介するのが、絵本に登場する「しょうぼうじどうしゃ」を再現した『じぷた』だ。こちらは本が出版された1966年から今も子供たちに夢を届けるべく活躍中と言えるだろう。
現役の車両や最新の車両を見ることはあっても、過去活躍した車両を間近で見る機会はなかなかなく、その勇姿を残すべくたくさんの人たちが撮影していた。