日本最大級の消防・防災に関する展示会「東京国際消防防災展2023」が6月15~18日の4日間、東京臨海都心の東京ビッグサイトで開催された。在日米軍消防隊はじめ、外国製の消防車を間近に見る機会でもあった。在日米軍の消防車は消火演習にも参加した。
外国製消防車はクラシック消防車のコーナーにも、フォード「T型」消防ポンプ車(1920年製)と、アメリカン・ラフランス「900」シリーズポンプ車(1962年)が展示された。
有明に展示されたアメリカン・ラフランス900は、1963年から2009年まで米ペンシルベニア州ストックデイル市で使用されていた車両だ。日本では、1939年に国産ポンプ車が製造されるまで、海外から消防ポンプ車を輸入しており、1917年に当時の東京市がアメリカン・ラフランス製の消防ポンプ車を初めて輸入した。富山県富山市でもアメリカン・ラフランス製の消防ポンプ車を導入した実績があり、この地方では消防車のことを「ラフランス」と呼ぶ人がいるそうだ。アメリカン・ラフランスは1832年創業の歴史ある消防車メーカーだったが、2014年に業務を終了した。
外国製消防車の新型では、モリタが、フィンランドのブロントスカイリフトと共同開発したはしご車『ロイカ』を、帝国繊維(テイセン)が、ローゼンバウアーの電動消防車『RT』を、帝国繊維がローゼンバウアーの屈折放水塔車『エコニック』を出品している。
●東京国際消防防災展2023
東京国際消防防災展の開催の趣旨は、過去に発生した災害を教訓とした災害対策や多様化する災害リスクを周知し、市民の防火防災意識と行動力を向上させること。またセーフシティの実現に向け、住民・企業・行政による3者相互の連携強化並びに関連技術・産業の振興を促進することを目的とする。
会場には国内外の消防・防災に関する最先端のサービスや製品が一堂に集結した。展示内容は、「消火、救急、救助、避難・誘導」、「防災・減災・災害対策」、「情報システム、通信サービス」、「その他、消防防災に関する製品・サービス」の4分野になる。
11回目となる今回は、325社・団体、1652小間(屋内:1254小間、屋外:398小間。開催前の事前集計)の出展となり、前回を上回る出展者数となった。主催は東京消防庁、東京ビッグサイト、東京国際消防防災展2023実行委員会。