新登場の『デリカミニ』の評判がよさそうだが、車名は、より親しみやすく……と「D:○」ではなく「ミニ」にしたという。そこで今回は「○○ミニ」の元祖である初代三菱『パジェロミニ』を振り返ってみたい。
◆「ピリッと楽しい。ピリッとコンパクト」
パジェロミニの登場は1994年12月。その前年の東京モーターショーに「三菱リンクス」なる軽サイズのショーカーが登場。直接の関連はなかったが、パジェロミニの登場は軽自動車のSUVが『パジェロ』の名のもと実現された形だった。
カタログのコピーは「ピリッと楽しい。ピリッとコンパクト、新発想ミニRV」など。あらゆる生活シーンで活躍できるオールラウンドパーソナルギア(当時のニュースリリースより)が特徴だった。
実車は2代目『パジェロ』のショートボディをスケールダウンしたかのようなスタイルで、丸型ヘッドライト、2トーンボディなども“本家”から踏襲。グリルガードも装着された。インテリアも本家さながらに、インパネ中央には、方位計/高度計/外気温計/時計の各機能をもつマルチメーターも用意された。
エンジンは4気筒で、DOHC 20 バルブインタークーラーターボ(4A30ターボ、64ps/9.9kg・m)とSOHC 16バルブECIマルチ(4A30、52ps/6.0kg・m)を設定。サスペンションはフロントがストラット式、リヤが5リンク式。
駆動方式にはシンクロ機構付きトランスファー、フリーホイールクラッチ機構付きフロントデフが組み合わせられたイージーセレクト4WDを採用。走行中の2WD/4WDの切り換えと4WDモード時のHi/Lo切り換えを可能とした。
カタログでは、アプローチアングル44度、ディパーチャーアングル47度、ランプブレークオーバーアングル25度など、本格4WDのポテンシャルの高さもアピールしていた。