2024年にEVとして市販予定という『5プロトタイプ』が公表された。そこで今回は、そのデザインの原形となったルノー『5(サンク)』を、初代、2代目と振り返ってみたい。
◆左右でホイールベースが違う個性的ディメンション
初代5の登場は1972年1月。1961年に登場したそれまでの『4(キャトル)』が旧態化したため、それに代わるベーシックカーとして誕生。4はバンのような実用車然としたクルマだったのに対して、5はグッと近代化した乗用車だったのが特徴。とはいえメカ部分は4のそれがベース。そのためにたとえばホイールベースは4と同様に左右で長さが違った。
写真の当時の日本総代理店キャピタル企業のカタログで見ると「5 GTL」の場合“右2400/左2430mm”という具合。これはリヤサスペンションの横長のトーションバーを室内スペース確保のため上下に重ねず前後に配置したため。
日本仕様には1.3リットル、1.4リットルのATなどのオーソドックスな仕様のほか、1.4リットルターボを搭載する「5アルピーヌターボ」や、1.4リットルをベースにギャレットリサーチ社製ターボで160ps/22.5kg-mの性能を発揮するエンジンをミッドシップとした「5ターボ2」などが設定された。
“シュペールサンク”と呼ばれた2代目は、本国では1984年に登場。初代の雰囲気を進化させたデザインはガンディーニ。エンジン縦置きだった初代から一転、オーソドックスな横置きに。
日本市場へは1987年に導入が開始され、カタログはその時のもの。120ps/16.8kgm(DIN)を発揮した1.5リットルターボ搭載の「GTターボ」、本革シートを備えた「バカラ」など、幅広いラインアップが用意された。