カーオーナーの皆様は、ZFと聞いて初めに思い浮かべる商材は何だろうか。筆者はトランスミッションを思い浮かべるのだが、同様のイメージを同社に持っている人が多いのではないかと思う。
確かにトランスミッションを主力の事業としていることに間違いは無いのだが、近年のZFは戦略的に企業の買収を進め、全世界的なメガサプライヤーになったほか、日本国内の自動車アフターマーケットにも積極的な商品供給を行うなど戦略を変えてきている。
その1つが、3月に開催された自動車アフターマーケットの国際展示会「第20回国際オートアフターマーケットEXPO2023(IAAE2023)」への出展だった。日本国内において自動車アフターマーケット関連の展示会に同社が出展するのは初めてであり、話題となった。
飛行船の歯車作りから世界的なサプライヤーへ
ZFグループの歴史は古く、1915年にドイツのフリードリヒスハーフェンで飛行船の歯車(ギアボックス)を製作するメーカーとして設立。その後、自社製トランスミッションを開発して自動車業界に参入、2014年には米国のTRWオートモーティブ社を買収して世界最大級の部品メーカーグループに成長すると、2020年には商用・大型車向けのブレーキやサスペンションなどを製造するワブコ社も買収し、商用車分野の部品メーカーとして世界ナンバー1に躍り出た。
日本においては、2022年1月1日にこれまで3法人あった会社を合併し「ゼット・エフ・ジャパン株式会社(以下、ZFジャパン)」となり、ZFグループの「Next Generation Mobility(次世代のモビリティ)」戦略の理念のもと、革新的な技術を生み出し、クリーンで安全なモビリティを全ての人に提供するための取り組みを進めている。
アフターマーケットで展開する5ブランド
現在、ZFジャパンでは、アフターマーケットにおいて5つのブランドを展開している。3月のIAAE2023では、この5つのブランドの商品群がシンプルに分かりやすく展示・訴求されていた。
気になる今後の戦略
今後の日本での自動車アフターマーケットでの展開については、日本車向けラインナップのさらなる拡充・現行の5ブランドのシナジーを活かした部品流通の最適化・EV普及に備えたアフターサービス体制の整備の3点に注力するとIAAE2023のプレゼンテーションでも発表していたZFジャパン。
また注目すべきトピックとして、補修部品事業の強化策の一環として、交換期を迎えた高機能部品を新品同様に再生したRe-Manufacturing(再製造品)、いわゆる“リマン部品”の国内販売を先頃始めたと発表。サプライヤーが自ら作動確認するのが、一般的なリビルト部品との違いになるとのことで、今やトランスミッションメーカーとしてだけではない、ZFの今後の展開から目が離せない。