廃業の危機を乗り越え “強み” を活かしてカーディテイリングショップを立ち上げた、有限会社キャラット横浜の戦略…IAAE2023 | CAR CARE PLUS

廃業の危機を乗り越え “強み” を活かしてカーディテイリングショップを立ち上げた、有限会社キャラット横浜の戦略…IAAE2023

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廃業の危機を乗り越え “強み” を活かしてカーディテイリングショップを立ち上げた、有限会社キャラット横浜の戦略…IAAE2023
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新車購入時にディーラーでボディコーティングを勧められ、施工した経験があるドライバーは少なくないだろう。ボディコーティング施工を内製化しているディーラーもあるが、コーティングやカーフィルム施工を専門とするカーディテイリング事業者が施工作業を下請けしているケースは多い。

ディーラーの下請け率が高いカーディテイリング事業者は、ディーラー経由で一定の仕事量を確保できるため一般顧客の集客はあまり行っておらず、その分、施工作業に集中でき技術力の向上や高品質な仕上がりを追求しやすい体制といえる。しかしながら、ディーラーが事業を撤退した場合、いきなり仕事がゼロになり廃業せざるをえない状況になるリスクをはらんでいる。

実際にそういった状況に陥り、窮地に立たされたことをキッカケに一念発起して、エンドユーザー向けのビジネスに転換したカーディテイリング事業者がいる。その事業者とは、神奈川県横浜市に拠点を構える有限会社キャラット横浜(4C Detail)だ。同社の代表取締役を務める渡邉拓也氏は、今年3月に東京ビッグサイトで開催された自動車アフターマーケットの国際展示会「第20回 国際オートアフターマーケットEXPO 2023(IAAE 2023)」の会期二日目、3月8日に『下請け業務比率100%だった当社が、ゼロからエンドユーザービジネスに成功した秘訣』と題したセミナーに登壇し、自社の取り組みを語った。

有限会社キャラット横浜は、1987年に創業者である現会長の渡邉良紀氏が個人事業主としてスタート。翌年の1988年から地場の輸入車ディーラーと業務提携し、1990年に法人化。2006年に輸入車ディーラー内に専用事務所と施工ブースを設ける。現会長の渡邉良紀氏は、技術や仕上がり品質をとことん追求し、人生のすべてを施工作業に捧げるが如く邁進したという。

セミナーに登壇した渡邉拓也氏は2014年から同社に入社。下積みからスタートし、毎日休みなく働きながら技術を学び、コーティング作業に従事。仕事はあれど、売上のほとんどを一社の輸入車ディーラーに依存する経営体制に「このままではいけない」と思いながらも既存の仕事で手一杯となり、新規顧客開拓や別事業のスタートは行えないまま、日々が過ぎていった。

2020年1月、突如、輸入車ディーラーが他社に買収されてしまう。その結果、有限会社キャラット横浜はその4ヶ月後の2020年5月に撤退を余儀なくされた。自社の危機に直面した渡邊氏は廃業を考えたもののエンドユーザー向けのカーディテイリングショップの立ち上げを決断する。「既存顧客なし。コネなし。資金なし。土地建屋なし。同業者からも無謀だと反対されたが、今ままでひたむきに技術を追求してきた自信があったので、集客さえできればお客様に喜んでもらえる自信があった。自社の強みを活かしてメインターゲットに喜んでもらえることを徹底的に考えた」と渡邊氏は戦略を語った。

窮地に立たされた1年後の2021年1月に、エンドユーザー向けの総合カーケア・コーティング専門店「4C Detail」をオープン。なんと3ヶ月で軌道に乗せることに成功したという。現在では神奈川県全域、東京・千葉・埼玉などの関東圏のほか、福島県や岐阜県などの遠方からの依頼もあるとのこと。社員も1年で2名増員し、基本定時帰宅、完全週休二日制、残業なし、有給ありの労働環境を実現。また、自社の実体験を活かしてカーディテイリング事業者向けに集客コンサルティングや技術講習なども展開。社員が育てば、2号店もオープンしたいと今後の展望も語られた。

セミナーでは、渡邊氏が数々の苦難を経験したからこそたどり着いた考えや、実際に行った秘策などが述べられ、多くの聴講者が真剣な面持ちで耳を傾けていた。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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