カーディテイリング業界の明日を語る!…アスナルが3年ぶりのリアルセミナー&ガレージセールを開催 | CAR CARE PLUS

カーディテイリング業界の明日を語る!…アスナルが3年ぶりのリアルセミナー&ガレージセールを開催

イベント イベントレポート
カーディテイリング業界の明日を語る!…アスナルが3年ぶりのリアルセミナー&ガレージセールを開催
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コーティング剤、クリーナー、コンパウンド、内装リペアまで幅広く取り扱うカーディテイリングショップの有限会社アスナル(神奈川県川崎市中原区苅宿14-1/宮﨑慎也代表取締役社長)が主催する「第12回カーディテイリングセミナー&ガレージセール」が、11月12日(土)に相模原市立産業会館大ホール(神奈川県相模原市中央区中央3-12-1)で開催された。

アスナルでは、毎年「カーディテイリングセミナー&ガレージセール」を行ってきたが、コロナ禍により、ここ2年はライブ配信のみとなっていた関係で、リアルでの開催は3年ぶりとなった(ライブ配信も併用)。今年は「カーディテイリングの明日を語ろう!」をテーマに、ディテイリングに関する注目のセミナープログラムが3本設けられたほか、ディテイリング関係の出展者による即売会、商材争奪のじゃんけん大会などが行われ、盛り上がりを見せた。

業界注目のセミナープログラム

今回のイベントの目玉は、カーディテイリング業界に関連するセミナー、パネルディカッション、対談の3つで構成されたプログラムだ。

イベントの冒頭に行われたセミナーは、アスナルの宮﨑社長自らが登壇し「特定整備とカーディテイリングビジネス」について講演を行った。宮﨑社長はクルマの進化に伴い、整備も変化していることに触れた上で、2020年4月1日からスタートした特定整備の概要を説明。

原則としてカメラやバンパ・グリルの脱着なども電子制御装置整備対象車両については、特定整備認証の取得が必要であり、作業する場所も電子制御装置点検整備作業所として届け出た場所以外では行えなくなったことや、2021年10月1日からスタートしたOBD点検は、ほぼすべてのクルマに義務化されており、該当する警告灯が点灯した場合は、診断機でDTCをチェックし、故障箇所や故障の原因を究明し、適切な整備を行うことが必要になったことなどのほか、緑色とオレンジ色の看板の意味なども解説。

また認証を取らない(取れない)場合の選択肢としては主に「外注」「認証工場に持ち込み構内外注業者として仕事をする」「特定整備対象車種は取り扱わない」などの対応があるとし、今後は2極化が進むという見解を示した。

その上でカーディテイリングビジネスとの関連については、外装部品を始め、内装の脱着でもDTCが検出されるような電子化された自動車へのサービス提供を行うには、特定整備認証を取得するのみならず、自動車メーカーの定める整備要領書に従った作業が行える環境を整える必要があることを述べた上で「整備の定義が変わったという流れを理解しておくことがまずは大事です。収益性の高いディテイリングビジネスで今後も収益を上げていくためには“認証は関係無い”とはもはや言えないし、言ってはいけない」と強調。

これまでディテイリング業界は認証制度とは無縁の世界だったものの、整備の定義が変わった今後は、クルマに関わるサービスを提供するプロとして、法令を正しく学び、コンプライアンスを重視した事業推進体制を構築する必要性と変化への柔軟な対応の重要性を述べた。

有限会社アスナル宮﨑慎也社長によるセミナー

続いて行われたのが「カーフィルムの未来」と題したパネルディスカッション。好評だった昨年のライブ配信に引き続き、日本自動車用フィルム施工協会(JCAA)理事で株式会社ビーパックスの井上和也代表取締役とゴーストフィルムの総輸入販売会社である株式会社ブレインテックの宮地聖代表取締役が登壇し、宮﨑社長とカーフィルムの話題を中心に、活発な意見交換が行われた。

中でも熱い内容となったのが「カーフィルム施工の未来」というテーマ。井上社長は新車時のフィルムの装着率が90年代は30%ほどあったものの、現在は10%程度まで落ちていると指摘した上で「今はフィルムも多種多様な製品が合法で出ています。“遮熱”や“断熱”など言葉の定義をしっかりすること。その上でまずはピーク時とまではいかなくても、90年代の数字に戻すということ。これに尽きます」と話し、宮地社長も「可視光線透過“率”の正しい計測が重要。そのためには施工業者が正しい知識を持つことが大事になります」と話した。

宮﨑社長(左)、ブレインテック宮地社長(中央)、ビーパックス井上社長(右)によるパネルディスカッション

最後に行われたのは、宮﨑社長と栃木県宇都宮市の洗車・コーティング専門店「アペックス」の郡司公生代表取締役社長とのカーディテイリング対談。アペックスの沿革と郡司社長が行ってきたこれまでの取り組みを振り返りながら、カーディテイリングのこれからについて議論。

異業種、資本のある企業の本格参入やカーディーラーコーティングの高価格化、ディテイリングサービスの多様化、コーティング剤の高性能化、洗車youtuberなどのSNSにおける発信力の強さなどが話題に上る中、郡司社長は「私にとってカーディテイリングは、お客様のクルマと人生を輝かせる“志事”です。これからも環境の変化はありますが、最初の志はブレずにやっていきたいと思います」と思いを述べ、対談を締め括った。

アペックス郡司社長(左)と宮崎社長(右)による対談

イベントの最後には宮﨑社長が「今日のセミナーや出展社の皆さんの話を聞く中で、ここ2年はライブ配信でしたが、このイベントを続けていて良かったと実感しました。来年も必ず開催したいと思います。カーディテイリングはゼロをプラスにする仕事で、いわば“不要不急”とも言えます。ただ、クルマはいつの時代も我々にワクワクと楽しさを提供してくれます。今後どうなっていくかは分かりませんが、まだまだやるべきことはたくさんあると感じました」と挨拶し、久々のリアル開催となったイベントの手応えと感謝を語った。

宮﨑社長が話していたように、カーディテイリングはその作業自体をしなくともクルマは走る。ただしゼロをプラスにすることで、愛車への愛着は増し、大切に長く乗ろうという気持ちがカーオーナーに芽生えるものではないだろうか。特定整備認証という行政の定めたルールの正しい理解と対応、自動車メーカーの定めた認定や整備要領書に則って作業を行う体制作りなど、カーディテイリング関連事業者にとっては課題が多い中で、今後カーディテイリング業界からどのようなトレンドが生まれていくのか。注目していきたい。

《カーケアプラス編集部@松岡大輔》

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