「タイヤの摩耗」を日常点検で確認する | CAR CARE PLUS

「タイヤの摩耗」を日常点検で確認する

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タイヤの摩耗を日常点検で確認する ~Weeklyメンテナンス~
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クルマの安全性や走行性能を左右する重要パーツのひとつがタイヤだ。今回は日常点検を怠ると大きなトラブルにもなりかねないタイヤに注目。交換タイミングの確認やメンテナンスについて紹介した。

タイヤはクルマの消耗部品の中でも比較的頻繁な交換が必要なパーツのひとつだろう。走行するとタイヤのトレッド面は摩耗してすり減っていくのでグリップ力や排水性などが低下していく。一定の性能以下になると本来の走行性能が確保できないばかりか、スリップが起きやすくなり大変危険なのだ。

そこで、定期的にタイヤの状態をチェックして摩耗や劣化を確認したらタイヤ交換を実施することが大切。クルマを運転する前にぐるりとクルマのまわりを回って四輪をチェックする運行前点検を実施するのがもっとも望ましいスタイルなのだが、毎回の点検はおっくうだという湯ユーザーも多い。そこで洗車時や給油時など、自分でルールを決めて定期的な目視点検をしておきたい。

その際に注目したいのはトレッド面の摩耗だ。タイヤにはスリップサインと呼ばれる摩耗限界のマークがある。サイドウォールに△マークが付いている部分からトレッド面の延長線上を見ると部分的にタイヤの溝が浅くなった部分がある。これがスリップサインと呼ばれるものでトレッド面が摩耗していくといずれスリップサインが表面に露出することになる。この状態になるとタイヤは使用限界だ。この際のタイヤの溝の深さは1.6mm、これは法的に定められたタイヤ溝の深さで、これ以下では車検をパスできなくなるのだ(そのまま走行すると道交法違反になる)。もちろん性能的にも新品時に比べると劣化しているので即交換が必要な状態だ。

タイヤ溝は一般的には新品時には約8mmある。これが走行によって徐々に摩耗して行く。先にも紹介した通り法的には1.6mmの摩耗限界が定めあられているが、摩耗によってタイヤの性能は徐々に劣化していくのだ。つまり摩耗限界ギリギリまで初期の性能を使い続けられるわけではないと言うこと。タイヤメーカーなどは新品時の50%の残溝になると性能低下が大きくなるとアナウンスしている。それを考えると残溝が4mm程度になった時点からは要注意なのだ。そのためタイヤの残溝を逐一確認して管理することが有効になる、その場合にはタイヤの残溝を計るタイヤ溝ゲージと呼ばれる計測器を用意(数百円程度から買える手軽な計測器もあるので工具箱にひとつ備えておくと良いだろう)すると良いだろう。

また偏摩耗にも注意したい。タイヤのトレッド面を確認する際、クルマの外側から見えるタイヤの外側部分には残溝がしっかりあっても、ハンドルを切ってタイヤの内側部分を見るとトレッド面が大きくすり減っている場合がある(大きくロワードしたりアライメントが狂っている場合などに起きがち)。この場合もすり減った部分が摩耗の限界に達していないかを確認する必要がある。

タイヤの摩耗が進むとどのような不具合が起きるのだろう。もっともわかりやすいのがウエット路面での制動力の低下だ。タイヤの溝が浅いと濡れた路面で制動力が落ちて制動距離が伸びる(タイヤメーカーや業界団体の測定データでも明らかになっている)。さらにハイドロプレーニング現象と呼ばれる水膜の上にタイヤが浮いて操作不能になる危険な現象が起こるケースもあるため要注意なのだ。

タイヤは通常使っているとこのようにトレッド面が走行距離に比例して減っていくのだが、ゴム製品だけに経年劣化があることも憶えておこう。たまにしかクルマに乗らないというユーザーのクルマは、タイヤがそれほどすり減ることはないものの、製造から長い期間を経ているため劣化(硬化かど)してしまい初期の性能を発揮できなくなるケースがある。いわゆる「タイヤが風邪をひく」などと表現される状態でグリップ力の低下が見られるので交換が必要になる。クルマの保管状態などに左右されるが概ね製造年から4~5年程度がタイヤ使用の目安と考えられるだろう。製造年はタイヤのサイドウォールを見れば確認できる。4桁の数字が刻印されていて、例えば「0522」と表記されている場合は2022年5週の製造という意味。製造年は1本1本のタイヤに表記されているので、これを目安にタイヤの使用年限を推し量ると良いだろう。

最後に、タイヤ交換のもうひとつのチェックポイントがキズや傷みなど。摩耗していなくてもサイドウォールにキズなどがあれば交換が必要。トレッド面のパンクは修理できるがサイドウォールは補修できないので交換になる。路側などで強くこすってしまって深いキズが付いてしまうとバーストの危険もあるので交換が必要だ。

このように、安全性に直結するタイヤの日常点検は普段から注意して実施しておこう。高速道路でのパンク、バーストはJAFの出動理由(高速道路)の1位になっていることからも、トラブルの多いカ所であることがわかるだろう。しかし多くの場合は定期的なタイヤチェック&交換で防げるトラブルでもある。それだけにタイヤのチェックは非常に大切なのが理解できる。自分のタイヤがどんな状態なのかを定期的なチェックで確認して最適な時期の交換を実施して常に安全走行を心がけよう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

タイヤの摩耗を日常点検で確認する ~Weeklyメンテナンス~

《土田康弘》

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