多くのドライバーが、運転中に音楽を聴いている。さて、その音楽を再生する装置(ソースユニット)には何を使っているだろうか。当特集では、その選択肢の1つ1つの利点や使用法を解説している。今回は、“映像系コンテンツ”を楽しみたい場合について考察する。
◆スマホで“映像系コンテンツ”を楽しもうとするときの、スタンダードな接続方法は?
前回の記事でも触れたように、車内での「ソースユニット」の本命は今やスマホだ。それを踏まえて前回は、これと車載機とをどう繋ぐと便利なのかを考えた。
ところでスマホは、音楽を聴きたいときにとどまらず、“映像系コンテンツ”を楽しみたいと考えているドライバーの車内でも活躍している。今回はその場合の便利な使い方等を検証していく。
なおひと昔前までは“映像系コンテンツ”といえば地デジとDVDが主体だったが、今や状況がガラリと変わった。もっとも人気のあるコンテンツはズバリ、「YouTube」だ。そしてそれに続くのは「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」といった動画配信サービスだ。そしてこれらもまた、スマホがあれば楽しめる。
で、そういった“映像系コンテンツ”を車内でも楽しみたいと思ったときには、音楽を楽しむ場合と車載機器との接続方法が変化する。“映像系コンテンツ”を楽しみたい場合のもっともスタンダードな接続方法は、「HDMI接続」だ。車載機に「HDMI入力端子」が備わっている場合、それと愛用のスマホとに対応するケーブルを用意して接続すれば「ミラーリング」にて“映像系コンテンツ”を楽しめる。
◆「ミラーリング」ならスマホの映像を車載機に映し出せて音もカースピーカーから聴ける!
ところで「ミラーリング」とは、その名のとおりスマホの画面を鏡のように車載機器の画面に映し出す機能のことを言う。なので車載機側でアプリの操作は行えない。ただ映し出すのみだ。とはいえ、映画のように長いコンテンツの場合には操作が必要となる局面は多くはなく、「ミラーリング」が不便だと思われることは少ない。むしろ、車内で“映像系コンテンツ”が楽しめるようになることの利点はとても大きく、多くのドライバーがすでにこれを実践し楽しんでいる。
なお、“映像系コンテンツ”を楽しみたいと思ったときにはそのための接続用ケーブルとは別に、とある機器が必要となる。それは、走行中にも“映像系コンテンツ”を車載機の画面に映し出せるようにするための、「テレビキャンセラー」とか「テレビキット」と呼ばる機器だ。純正・市販を問わず、車載機器の画面には走行中に“映像系コンテンツ”を映し出せないようになっている。ドライバーが運転中に画面を注視することが法律で禁止されているからだ。
しかし、同乗者が“映像系コンテンツ”を楽しむことは違法ではない。なので、それを可能とする機器がアフターパーツメーカーからいくつかリリースされている。
というわけで、「ミラーリング」を楽しみたいと思ったときにはまず、「テレビキャンセラー」等が必要となる。このことはくれぐれもお忘れなきように。
◆「HDMI入力端子」がなくても「ミラーリング」は可能!
なお、愛用の車載機器に「HDMI入力端子」が備わっていない場合には「ミラーリング」を楽しめないかというと、答はノーだ。「HDMI変換アダプター」なる機器がいくつかのアフターパーツメーカーからリリースされている。それを用いるとスマホから出力されるデジタル信号をアナログ信号へと変換できるので、アナログ入力端子が備わっている車載機器との接続が可能となる。「ミラーリング」と同様に映像は車載機器の画面に映し出せ、音声はカースピーカーから聴けるようになる。
ところで“映像系コンテンツ”を車内で楽しもうとする場合には、通信環境も問題となる。もっとも最近は、スマホの契約にて通信量が無制限のプランに加入しているドライバーも増えているので、そうであれば車内の通信環境を新たに整備する必要はない。
しかし無制限のプランに加入していない場合には、車載用のWi-Fiルーターを導入するというのも手だ。例えばカロッツェリアの『DCT-WR100D』を導入すると、一般的なモバイルWi-Fiルーターを導入するよりもリーズナブルに車内でネットと繋がり放題になる。
ちなみに通信量の料金体系は、1日プラン、30日プラン、365日プランの3タイプがあり、365日プランを選択しそれを2年間使った場合の機種代金も含めた月々のランニングコストは、2246円(税込)と格安だ。ただし当機は、停車中の使用時間に制限がかかる。そこを許容できれば、これの導入はアリだ。
今回は以上だ。次回以降も車内で「音楽は何で聴くか」という問題についての考察を継続する。お楽しみに。