三菱自動車とMIRAI-LABOは8月10日、電動車の使用済みバッテリーを用いた自律型街路灯の開発検討を開始した。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、電動車の活用は不可欠だ。しかし電動車の普及拡大に伴い、使用済みリチウムイオンバッテリーは増え続け、省資源などの観点からそのリユースが課題となっている。
三菱自動車は駆動用リチウムイオンバッテリーのリユース・リパーパスの可能性を確認するため、岡崎製作所に設置した大規模太陽光発電設備とあわせ、『アウトランダーPHEV』の使用済みバッテリーを活用した蓄電システムを設置するなど実証を行ってきた。一方、MIRAI-LABOは電位差のあるバッテリーを無瞬断で切り替えできるMBMS(複合バッテリー制御システム技術)を駆使し、様々な製品展開とサステナブルな自律型MaaS社会の構築を促進してきた。
今回、三菱自動車のリチウムイオンバッテリー車載技術と、MIRAI-LABOの強みであるバッテリー制御システムなどのノウハウを生かし、使用済みバッテリーを活用した自律型街路灯の開発検討を開始した。自律型街路灯は、電動車の使用済みバッテリーとリサイクルスチールを使用。系統からの電力や地中配線など外部からの給電を必要としない自律型のソーラー街路灯となる。そのため、災害時や停電発生時にも消灯することなく街路灯の機能を発揮。また使用済みバッテリーを採用することで、バッテリー製造時に排出する二酸化炭素を削減し、カーボンニュートラルへの貢献も期待される。
両社は今年度中に自律型街路灯の開発を行い、2023年度以降に自治体や企業との実証を通じて提供していく予定だ。