横浜ゴムとタイヤ販売子会社のヨコハマタイヤジャパンは、京都タクシーと興進タクシーの協力を得て、タイヤ空気圧の遠隔監視システム(TPRS)の実証実験を開始した。
今回の実証実験は、CASEやMaaSなど自動車業界の変革に対し、TPRSおよびタイヤ内面貼り付け型空気圧センサーの効果を検証するもの。京都タクシーおよび興進タクシーの車両に同社開発のタイヤ内面貼り付け型空気圧センサー付きタイヤおよび「TPRS」を導入し、京都府およびその近郊エリアで実施する。
TPRSはタイヤ内面貼り付け型空気圧センサーが検知した空気圧や温度、車両の位置情報を車両管理者やタイヤサービススタッフがリモートで把握できるシステム。タイヤ空気圧の始業前点検の大幅な省力化および空気圧情報の記録化、タイヤの空気が徐々に抜けるスローパンクチャーの早期発見、タイヤメンテナンスの適切な実施、点検のバラツキ防止、リアルタイム異常検知による事故防止、適正空気圧維持による燃費向上などに貢献する。
検知データはクラウドサーバーに送られ、車両管理者や横浜ゴム営業所にてタイヤ空気圧の見える化を実現する。空気圧が低下した場合やスローパンクチャーの恐れがある場合には、事務所内に設置した警報装置にて管理者に通達。燃費悪化の原因となる低空気圧での走行を防ぐ。また、タイヤ内面貼り付け型空気圧センサーは従来のバルブ式TPMS(空気圧監視システム)と違って装着ホイールを選ばないため、アフターパーツとして多種多様の車両、ホイールに採用できる。
横浜ゴムはこれまで、カンパニーカー向けやカーシェアリング事業者向けとしてTPRSの実証実験を実施。今回、厳しいタイヤ管理を求められるタクシー事業者向けの実証実験を行うことで、安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指す。