みなさんは「洗車の日」をご存知だろうか?洗車の日は、一般社団法人 自動車用品小売業協会(APARA)により、洗車をすることで、愛車への愛着を高めてもらうことを目的に制定された記念日で、4月28日(ヨイツヤ)が日本記念日協会に認定されている。
毎年この時期(4月から5月)には、カー用品を扱う店舗で洗車用品のコーナーが設けられたり、自動車関連イベントに出展したりするなど、活発に訴求活動が行われている。
近年この動きは、自動車整備工場にも波及している。背景にあるのは、「オートアフターマーケット連絡協議会」の存在だ。「オートアフターマーケット連絡協議会」は、自動車アフターマーケットに関わる幅広い企業や団体が集い情報交流をすることで、自動車ユーザーの便益拡大に貢献することを目的に発足した協議会で、前述のAPARAも加盟している。
同協議会のプロジェクトとして「洗車の日」が認定されたことで、別の加盟団体「BSサミット事業協同組合」の組合員である整備工場に波及しているとのことだ。
そんな中、金沢市の整備工場 キスモ株式会社で4月16日に「ワンコイン手洗い洗車フェア」が開催された。一般的な相場で2000円程度(同社では通常メニューにはない)の手洗い洗車をワンコイン(500円)で行ってもらえるお得なフェアである。
入庫したクルマは整備工場のスタッフが、まずはしっかりと水で汚れを洗い流し、その後泡シャンプーで入念に洗浄していく。もちろんホイールもしっかりと汚れを落とし、再度水でしっかり洗剤を落としていく。最後にしっかりと拭きあげて作業は完了だ。ユーザーはキレイになったクルマをみて満足そうにお店を後にしていった。
しかし、1台あたり20~25分程度の作業時間を要し、普通に考えればワンコインではとてもじゃないが予算オーバーである。なぜこのようなお得なフェアを開催するのか、同社の担当者にお話を伺ってみた。
「もともとは、高齢のお客様が免許返納されるなどで、顧客減少が進むことに対して、何かアクションを起こさないと、ということで、去年の夏頃から“洗車”や“オイル交換”、“タイヤ交換”など様々なフェアを行ってきました。その中で一番反響が多かったのが洗車でしたので、秋に2回目、そして今回3回目のフェアを行いました。フェアに関しては、新規顧客獲得のためと割り切り赤字覚悟で実施しています」
その言葉通り、インスタグラムやフェイスブックで広告を行うことで、半数以上が今まで同社を利用したことのないユーザーだったそうだ。
さらに今回からは、洗車時にクルマをチェックして、傷やヘコみ、パーツの劣化などがあれば簡易的な見積りを行いユーザーに提案をすることで、次回来店に繋げる取り組みを行っている。
確かに、大きな傷やヘコみは分かるが、細かな傷やヘコみには以外と気づいていないことも少なくない。洗車をすることで細部まで確認してもらえることはユーザーにとっても嬉しいことだし、整備工場にとっても新たな仕事につながるサービスである。
今回のフェアは「洗車の日」とタイアップし、アンケートに答えてくれたお客様に「洗車グッズ」のプレゼントが用意された。
みなさんも、厳しい冬が明けた今こそ、冬に受けたダメージをしっかりと洗い流し、ピカピカな愛車「ヨイツヤ」でGWを迎えてはいかがだろうか?