離職率60%からの働きがい改革…クルマを心で磨くコーティング専門店・アペックスの挑戦 | CAR CARE PLUS

離職率60%からの働きがい改革…クルマを心で磨くコーティング専門店・アペックスの挑戦

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離職率60%からの働きがい改革…クルマを心で磨くコーティング専門店・アペックスの挑戦
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日本自動車整備振興会連合会(日整連)発表の資料によると、2019年度の自動車整備士の数は33万6897人で、2018年度と比べると約1500人の減少。ちなみに、2014年度は34万2486人であり、減少傾向が続いている。人材不足については、業界・業種問わず、経営者にとっては悩ましい問題だが、特に自動車業界においてはその傾向が顕著であり、整備士人口の減少はそれを如実に物語っている。

そんな中、企業の現場で起こった真実かつ感動の物語を、社員自らが10分のショートムービーとして製作する「感動物語コンテスト2021グランプリ大会(主催/一般社団法人感動物語コンテスト普及委員会)において、特別審査員賞を受賞したのが、人材不足に悩む自動車アフターマーケットの関連企業という一報が編集部に届いた。

その企業は、栃木県宇都宮市でクルマのコーティングを主体とした自動車美装業を営む株式会社アペックスだ。





◆離職率60%から始めた“働きがい改革”

アペックスは、自動車のコーティングにおいて、全国的に有名なディテイリングショップである。「クルマのキレイを通して感動をお届けしたい」「クルマを心で磨き、お客さまにご満足いただく」という強い信念のもと事業を拡大。洗車で使用する水1つにもこだわり、半導体の洗浄などにも使われる純水を使用するなど、ユーザーからの支持は厚く、今では、アペックス施工車両のステッカーは地元でひとつのブランドとして広く知れ渡るほどになっている。





徹底した技術・サービス・ホスピタリティでお客様に感動を与え続けているアペックスだが、その一方で、新しく入社した社員の多くが2~3年で辞めていくという離職率の高さは課題となっていた。

アペックスの郡司公生社長は「お客様が来ないことには仕事にならない。創業からお客様最優先で、お客様のためには多少の我慢くらいできないとやっていけないという思いが初めはありました」と話す。その後も、コーティングや洗車のサービス面で試行錯誤を続け、リピート率は驚異の60%を誇り、お客様には感動を与え続けながらも、社員の入れ替わりは改善されず、一時は離職率もリピート率と同じ60%に上ったこともあったという。

「どうしたら社員が定着するのか。働きがいを持ってくれるのか悩みました」と郡司社長。そんな時、ある経営者メルマガの一文が目に留まったという。

“人を大切にする経営・会社が日本を元気にする”
“社員に主体性を持たせる”

綺麗事だと最初は感じたという郡司社長だったが、状況を改善するため一念発起。
メルマガのセミナーに参加し、受けた言葉にハッとしたという。

“もっとクルマと人生とスタッフに輝きを”

アペックスのコーポレートメッセージである“もっとクルマと人生に輝きを”に“スタッフ”を足したメッセージを見て「自分に足りていなかったのは社員への思いだと気付きました。自分はお客様しか見ておらず、社員への思いが足らなかったんだと…」

ここから自分自身が変わるしかないと決意した郡司社長は“自分の子どもを育てる”という思いで社員一人一人に接するようになったとのこと。“働き方改革と働きがい改革”は社員にも徐々に伝わり、社員の働きがいを生み出す社風作りにより、離職率は大幅に改善。また浸透した温かな社風がお客様に対しても伝播し、拡がっていくという真実の物語は↓↓の動画をご覧頂ければと思う。





◆信念を持ってやり続けることの大事さ

今回の感動物語コンテスト出品について、郡司社長は「全員で何度もブラッシュアップしながら作り上げることで社内の一体感が生まれ、更には社史に残る伝説が形となって残せることなどのメリットがありました。今回は2回目の挑戦で、初年度は自社に感動物語のネタなんかあるのかという所からスタートしましたが、探してみると大きな感動でなくとも小さな感動物語、そして人が成長しようと陰ながら努力する感動物語が社内にある事に気付きました。今までそういった事にフォーカスしていなかっただけで、社内で努力や奮闘、成長している人はたくさんいると思います。

知られざる物語を掘り起こすことで、主人公が輝き、そしてその物語から大切なものを浮かび上がらせることで、プロジェクトメンバーや周りも気づきや学びになっていきます。誰かを輝かせるために頑張ることは、大家族主義の風土を深耕していく事にもなります」と話す。

今回の受賞含め、郡司社長が行った社内改革は、信念を持ってやり続けることの大事さが改めて証明されたと言えるのではないだろうか。人手不足解消や人材育成は、一朝一夕にはいかないが、1つの成功例として参考にしてみてはいかがだろうか。
《カーケアプラス編集部@松岡大輔》

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