茨城県笠間市の笠間稲荷神社外苑駐車場で6月26日と27日、「車の茅(ち)の輪くぐり」があり、地元の自家用車やトラックをはじめ、関東近郊のマニアックな車なども直径6mある特大の茅の輪をくぐって交通安全と事故防止を祈願した。茅の輪くぐりは主に6月30日頃「大祓(おおはらえ)」「夏越の祓(なごしのはらえ)」で行われるもので、茅(ちがや)で編んだ輪をくぐって1年前半の穢れを清め、無病息災や厄除けを祈願する神事。笠間稲荷神社でも毎年行われているが、これに先立ち自動車もくぐることで知られている。1966年に始まったこの神事は毎年行われてきたが、昨年はコロナ渦で中止に。今年は“3密”を徹底して避け、乗車のまま受付を行うなどして2年ぶりに斎行(さいこう)された。例年なら様々な団体に声掛けを行い、大きな駐車場も車やバイクがあふれるほどになるが、今回は自粛し台数はかなり減った。それでも神社参与総代関連の自家用車や同市の観光協会の車両、トラックやトラクター、さらに近隣住民の車両などが集まり、直径6mもある巨大な茅の輪を次々にくぐった。このほかに、ホンダ『S660』やダイハツ『コペン』、スズキ『アルトワークス』など軽スポーツカーのグループの姿も。「いつもは仲間内で集まって各地に走りに行くのですが、なかなかそうしたことができずにいたところ、ここで面白い行事があると知って5台で来ました。事故に遭わず、コロナにならずとお願いしました」とはS660のオーナー。毎年来ているというサイドカー仕様のホンダ『ゴールドウイングGL1500』のオーナーは「新型コロナワクチン接種は既に2回済みましたが、それでも気を付ける意味で今年も来ました。年を取ってきたのでこれからも交通法規を守って安全運転しようと思います」と話した。同神社の権禰宜(ごんねぎ)上野貞嘉さんも「交通安全と事故防止に、疫病を祓う意味も込めて祈願しました」と言うように、今年は様々な思いのこもった車の茅の輪くぐりとなった。
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