今日では馴染み深い存在となったカーコーティング。定期的な洗車後に、拭き上げと一緒に施工できる簡易コート剤を使っている愛車オーナーも少なくないだろう。一方で、専門店でボディコートを施工する場合、既販車はもとより新車でも、ボディ塗装面を綺麗に磨く下地処理が施される。磨き作業にはポリッシャーという機材が使われるが、技術開発は日進月歩。プロが使うこのポリッシャーも新たなスタイルが台頭してきている。◆コードレス化で増す作業効率性 KYOCERA近年、プロディテイラーが活用するポリッシャーで増え始めているのが、コードレスで使用できる充電式タイプだ。稼働時間やパワーの面から従来のコード式に取って代わる程にはまだ普及していないものの、使う場面に応じて作業効率性を格段に上げるアイテムとしてプロの間で注目が高まっている。京セラインダストリアルツールズが2020年9月に新たに発売した充電式ポリッシャーもその1つ。実は同社は、ディテイラーから鈑金・整備事業者まで多くのオートアフターのプロに愛用されてきた「RYOBI」の電動工具事業を2018年に事業承継し、2020年からは「KYOCERA」のブランド名でプロ向け電動工具の展開を拡充。20年秋に全国主要エリアで放映された、洗練された製品イメージを訴求するテレビCMを目にした人も多いのではないだろうか。同社のポリッシャー新製品は、「DPE11XR(シングルアクション)」と「DPEG11XR(ギヤアクション)」の2種類。18Vバッテリーと、負荷がかかっても回転数を維持する独自のフィードバック制御機構で安定した研磨力を発揮するのが特徴で、パッド径はいずれも75mmと小径。ディテイリングの業界では昨今、ダブルアクションとパッド径125mmのタイプが主流となっているが、実際に使用してみたプロショップでは、特にシングルの高い研磨力と小径の使い勝手を評している。同じ広島県でコーティングからカーフィルム、ラッピングやペイントプロテクションフィルム(PPF)まで一手に手掛け、ディーラー・エンドユーザー問わず高い支持を得ているプロショップ「しゃかりき」(丹下竜一代表)では、同製品を使用してみて「近年はバンパーやヘッドライト周辺はもちろん、ボンネットやフェンダーなどある程度広範囲なパーツでも複雑なラインを描くモデルが多く、年々小径ポリッシャーの活用性が増えている。小径=サブ的な位置付けだと思うが、最近はむしろこのサイズが使いやすい場面も少なくない」と評価。同社では、ダブルアクションだけでは除去できない傷への対処や作業スピードの向上を目的に、研削力に優れるシングルアクションを日頃から活用しており、特にDPE11XRの研削力に「コードレスの充電式ながらしっかり傷が取れる」と好感触を示している。実はコードレス化の潮流はポリッシャーに留まらず、京セラインダストリアルツールズでは一般ユーザーに身近なアイテムでコードレス式クリーナーも販売している。ポリッシャー同様、18Vバッテリー仕様の「DHC180L5」は90Wと業界トップクラスの吸引仕事率を誇り、連続使用目安時間は強モードでも20分(弱モードは45分)。最近はその使い勝手の高さから、工具メーカーのクリーナーを家庭用掃除機として活用するケースが増えており、18Vバッテリーは使い回しができるので、KYOCERAのプロモデルを家庭で使用する場合は、ポリッシャー+クリーナーなどバッテリーを共有できる組み合わせがお得だろう。◆イタリア公認センターが東京に開設 ルペス一方近年、プロディテイラーの間でたちまち存在感を高めているのが、イタリア・ルペス社の「ビッグフット」シリーズだ。2020年には、国内で初めて、本国公認のディテイラーが常駐する「ビッグフットカーディテイリングセンター東京」がオープンした。同センターは、自動車用部品・用品を輸入販売する阿部商会と、東京都でBMW専門カスタムショップ(目黒店)やディテイリングショップ(用賀店)を展開するアクセス・エボリューションが共同で開設。ビッグフットシリーズは、大口径オービットと高トルクによる遠心回転により傷・バフ目・オーロラ傷の除去を1台でこなすルペス社のフラッグシップ製品で、用賀店に開設された同センターでは、本国のトレーニングを修了した本国公認プロディテイラーがボディコーティングを施工してくれる。さらに、エンドユーザーへのサービス提供だけでなく、東京の同センターは、ルペス製品で独立開業を考える人からすでに製品を扱うディテイラーまで幅広いプロを対象に講習事業も展開。正規輸入代理店を務める阿部商会は、「熟練の職人しか磨けなかった昔と変わり、高性能で扱いやすくファッション性も兼ね備えたビッグフットシリーズのような機材の登場もあって、昨今ではディテイリングショップに限らず、新車・中古車ディーラーや整備工場、カスタムショップなど、ディテイリングサービス提供者の垣根が昔より低くなってきた」とディテイリングサービスの広がりを分析。今後は全国各地に同センターを広げていく予定で、近所のディテイリングショップやはたまた整備工場、新車ディーラーが「ビッグフットカーディテイリングセンター」になっている日が来るかもしれない。これらプロの使用を想定した機材は、扱う技術はもちろん、使用頻度の面からも、一般ユーザーが愛車に使用するにはコストパフォーマンス的に高くはない。それでも、せっかくのマイカーをとことん愛したいオーナーはセルフ施工にチャレンジしてみてもよし、難しければ“餅は餅屋”として機材を巧みに使い熟すプロ施工店に持ち込むもよし。愛車と過ごす時間が長くなり、洗車需要も増えたというコロナ禍、奥が深い“クルマを綺麗にする術”を改めて探求してみてはいかがだろうか。
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