令和最初の年末年始。車で地元に帰省したり、温泉地などに旅行へ出かける人たちが急増するこの時期は、渋滞に巻き込まれたり、凍結した道路や雪道で走行する機会もあるので、悲しいかな、どうしても何かしらのトラブルに見舞われやすい。だからこそドライバーは、いつも以上に気を引き締めて交通ルールを徹底した安全運転をするのは当然のこと。それだけではなく、万が一の事態を想定して「愛車の修理」についても事前に考えておくと安心だろう。◆「本当に信頼できるプロショップ」の存在は心強い突然の故障や予期せぬ事故などで愛車の修理が必要になったとき、「本当に信頼できるプロショップ」に、安心して愛車を預けられる人はどれくらいいるのだろうか。専門知識が豊富で、高度な技術と必要な設備があり、本当に親身になってしっかりサポートしてくれる “ かかりつけの病院 ”のような整備工場や修理工場とつながりがあることは、実に心強いことだろう。インターネットの活用が当たり前となった現代では、例えば「港区 車 ヘコミ 修理」などのキーワードを入力して検索するだけで、数多くのプロショップ情報がヒットする。しかし悩ましいのは、そのショップの良し悪しを判断するのがとても難しいことだ。そのショップを利用したであろうユーザーのクチコミを参考にするぐらいしか判断基準がないので、直接ショップに問い合わせて自分なりに見極めるしかないのが実情なのではないだろうか。◆愛車の預け先は、保険会社の指定提携工場? ディーラー?大きな事故を起こしてしまった場合は、契約している自動車損害保険会社が指定する提携修理工場に依頼するのが主流で、クルマを購入したディーラーに依頼する人も少なくない。こういった状況に直面した時、多くのカーオーナーは何の疑問もなく、そのまま愛車を預けていると思う。それはとても自然なことだと思うが、近年発売されている新型車、いわゆる「ぶつからないクルマ」を所有しているカーオーナーにおいては、一旦、冷静になってしっかり考えてほしいことがある。◆最近の新型車は、昔のクルマと全く違う最近の新型車は、昔のクルマと違って、車体構造や部材が変わってきている。例えば、高級車や輸入車は、車両重量を軽くするためにアルミ合金やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の採用が増えている。また国内の動きとしては、国交省が12月17日に、2021年11月以降に発売される新車(軽自動車含む新型モデル)を対象に、世界に先駆けて自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の搭載を義務化することを発表したばかりだ。素材が複雑になり、電子制御が安全に直結する新型車両を、昔ながらの職人気質なやりかたで対応している整備工場や修理工場に預けるのは注意が必要だと言わざるを得ない。古い設備や機材を使って、感覚的に整備や修理を行うのはとても危険で、本来稼働すべき高度なシステムが正しく動作せず、大きなトラブルにつながってしまう可能性があるのだ。最近のクルマをしっかり整備・修理するには、専門知識と技術、高度な設備などが必要になる。だがしかし、それらすべてを整えてちゃんと対応できる修理工場は、全国でも極わずかしかないと言われている。そういった現状があることを、カーオーナーはしっかり理解しておくべきだろう。◆「テュフ認証」という目印そこで、本当に信頼できる修理工場を探すときの選択肢のひとつとして『テュフ認証』を紹介したい。自動車修理工場の監査・認証を行っている公平・中立的な第三者検査機関として、世界的に展開している「テュフ ラインランド(TUV)」を知っているだろうか。テュフは、自動車修理に必要な設備や技術力、修理工場で働く社員の環境や法令遵守などについても厳しい基準で監査しており、それらをクリアした修理工場だけが「ゴールド」や「プラチナ」といった高い水準の認証を取得できる。近年、国内の自動車修理工場の間では、修理工場の品質レベルを証明する「しるし」として、テュフ認証を取得する動きが増えている。例えば、BMWの認定鈑金塗装工場やヤナセグループの鈑金塗装工場、2019年3月には大阪トヨタ自動車が直営する修理工場が取得。さらに同年6月、全国に300以上の中古車販売店を展開するビッグモーターの全ての鈑金塗装工場が認証を取得している。こういった流れがあるため自動車修理のプロショップの間で「テュフ認証」は話題になっている。◆北海道・函館トヨペット「萩野テクニカルセンター」の取り組み2019年12月23日、トヨタ系ディーラーとして知られる函館トヨペットの鈑金塗装工場「萩野テクニカルセンター」が、テュフのプラチナ認証を取得。当編集部は、先日行われた同センターでの認証式を取材する機会を得て、最新設備が導入されたセンター内を見学することができた。同センターは、もともと「集中車検工場」として設立されたのだが、1996年(平成8年)9月に鈑金塗装工場として新設。 それから20年以上が経過し、このままの設備では、進化し続ける最新型の車両の修理品質をしっかり維持するのは難しく、またメカニックたちの作業環境改善と周辺地域への配慮が必要だと、函館トヨペットの経営陣たちは考えたという。◆環境に配慮した「水性塗料」の導入がはじまり老朽化した萩野テクニカルセンターで、まず最優先されたのは、メカニックたちと周辺地域への環境配慮として「水性塗料」を使用することだった。2017年(平成29)11月から、環境に優しい水性塗料での作業を開始。 その後、札幌市東区にある自動車整備工場「三愛自動車(大畑揮義代表取締役 )」が、テュフのプラチナ認証を取得していることを知り、同社を訪問。その結果、同センターもテュフのプラチナ認証取得を目指すようになった。それからまもなく、同センターでは、プレパレーションシステムや 自走式半自動赤外線乾燥機、3次元測定機、アライメントテスターといった最新鋭の設備を導入。新型車の整備や修理に欠かせない「エーミング作業」を行える環境や、アルミ合金が部材に使用されている高級車や輸入車の作業を行う「アルミベイ」も整え、2019年3月より、次世代鈑金塗装工場としてリニューアル・オープンとなった。◆時代の変化に追随した「高品質なサービス提供」が使命函館トヨペットの河村賢治専務取締役は、今回の認証取得について、どのような思いがあったのか。認証式の場では「トヨタディーラーの鈑金サービスとして、時代の変化に追随した高品質なサービス提供が使命だと考えています。そのため、水性塗料化への対応をはじめとした労働環境の整備、それを支える最新鋭の設備をこのたび整えることができました。今後も、お客様のご期待に応えられる以上のサービス提供をお約束できると思います」との言葉があった。函館トヨペットは、自社ホームページ内で萩野テクニカルセンターに関するわかりやすい紹介ページを設けており、以下の動画も公開している。函館トヨペットの萩野テクニカルセンターのように、カーオーナーの安心・安全な車生活をしっかりサポートするためにできうるすべてを行って、設備や作業環境を整えている自動車修理工場の数は、全国的にみても少ない。大切な愛車に長く乗り続けたいカーオーナーが、本当に安心して愛車を預けられるプロショップ(自動車修理工場)がひと目でわかったり、その数がもっと増えていくことを願う。
タスカン、ロータス・エスプリ、まさかのフォードGT40まで! クルマ好きが所有する名車たち80台…飯田丘フェス・南信州名車倶楽部 2024.11.8 Fri 20:08 長野県飯田市の恒例イベント『飯田丘のまちフェスティバル』が1…
ティークラフトのポリバンスプラスチック溶接トレーニングがテュフ認定に!プラスチック溶接技術の普及と技術者の育成へ弾み 2022.8.28 Sun 10:32 有限会社ティークラフト(愛知県岡崎市大樹寺2-17-3/田中郁雄…
サッチャムリサーチの提案により、中国EVチェリーが英国で発売する新型車は「修理しやすい」ボディ設計を採用【自動車修理のアセスメント最前線】 2024.10.31 Thu 9:01 2024年10月29日、ロンドン西部バークシャー州に本社を構える英…