ボッシュは6月25日、リレーアタックを防ぐキーレスエントリーシステムを搭載した開発車両を都内で報道陣に公開した。2021年から量産を開始する予定という。ボッシュ日本法人のクラウス・メーダー社長は「キーレスエントリーシステムは数年前からリレーアタックによる盗難が問題になっている。昨年日本でも同様の手口による盗難被害が複数報告されており、今後もリレーアタックが横行すると不安視されている」と指摘。その上で「デジタルキーでは利便性と安全性の両方を求めると、どちらかが犠牲になるとお考えかもしれない。ボッシュは『パーフェクトリーキーレス』と名付けた安全なデジタルキー管理ソリューションによって、従来のキーレスエントリーシステムができなかった安全性と利便性の両立を実現しようとしている」と開発の背景を語った。パーフェクトリーキーレスは、車両とスマートフォンがブルートゥース経由で通信し、ドアのロック/アンロック、エンジン始動の操作を行う。その際、クルマ側は専用アプリであらかじめ登録されたスマートフォンに内蔵されているブルートゥースのチップの電波特性が適合した場合だけ、解錠やエンジン始動を行うようになっている。これにより他の電子デバイスを使ってリレーアタックを試みる信号をブロックすることができ、車両への不正アクセスを防げる。また解錠やエンジン始動のためのキーが不要で、スマートフォンもポケットの中に入れたままでも、操作が可能。さらにパーフェクトリーキーレスはクラウド上でデジタルキーを管理することができるため、専用のアプリを介して複数のユーザーが同じ車両を使用することも可能という。メーダー社長は「このソリューションは個人所有の乗用車、カーシェアリング用車両、物流会社などの事業者が所有する車両に使用できる。さらにはトランクをあけるデジタルキーを特定の期間、宅配事業者に与えることができ、トランクを宅配ボックスとして使用できる可能性も秘めている」とも話していた。このほか、日本の自動車メーカーが2019年後半に発売するモデルにボッシュの48Vハイブリッドシステムが搭載されることも明かされた。メーダー社長は「ボッシュはこれまで毎年4億ユーロを電動化に投資し、2018年末には48Vハイブリッドシステム用のバッテリーの量産を中国で開始した。このシステムはコンパクトカーにも搭載可能で、今年後半に日本の自動車メーカーから販売される予定のモデルに搭載が決まっている」と述べた。
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