東京都国立市にある谷保天満宮を主会場に12月2日、「谷保天満宮旧車祭2018」が開かれ、戦前モデルから昭和のクラシックカー、スーパーカーなど約200台が集まった。1908年(明治41年)に有栖川宮威仁親王を中心とした「遠乗り会(とおのりかい)」が行われたことを記念するイベント。日比谷公園から谷保天満宮まで、日本初のガソリン自動車でのドライブツアーだったと記録に残る。同時に、谷保天満宮では日本初の交通安全祈願も行われている。主催はオートモビル・クラブ・ジャパン(ACJ)。遠乗り会をルーツとする、日本最古といわれる自動車クラブで、最初のドライブから100年経(た)った2008年に、国立の旧車愛好仲間が遠乗り会を再現してこのイベントが始まった。同イベントが10回目を数える節目となった今回は、110年前に行われた日比谷公園~谷保天満宮までのドライブを12台の旧車で再現し、境内に入場してくるというオープニングで始まった。会場は天満宮の境内に加え、JA東京みどりの駐車場や谷保第三公園など4か所で開催。ロールスロイス『ファントムII』(1932年)、ダットサン『16型ロードスター』(1937年)、トヨタ『2000GT』(1970年)、シボレー『コルベットスティングレー』(1966年)など、往年の名車が一堂に会した。ガソリン自動車遠乗り会110周年記念の”Anniversary”の「A」と110周年の「110」をかけて、アルピーヌ『A110』4台が集結したのも今年のトピック。トライアンフ『イタリア2000』(1962年)やパナール『ディナZ』(1958年)、ヒルマン『インプ スーパー』(1967年)、アルファロメオ『ジュリア ザガード1300』(1969年)などといった、希少車の参加もかなりの数に上った。境内では、遠乗り会に参加した日本初のガソリン自動車「タクリー号」のレプリカや、同車をコピーした子供神輿(みこし)が登場。各旧車とオーナーは神職によるお祓(はら)いを次々と受けた。また、今回もJR国立駅南口からは昭和のレトロバス日野『RC700』がシャトルバスとして無料で運行。特別にランボルギーニ『カウンタック』とフェラーリ『F355』の無料同乗体験も行われ、ちびっ子たちに大人気となった。ACJ会長でイベントの実行委員長でもある是枝正美さんは「イベントが10年目となり、国立市内での認知度もかなり上がってきて、手ごたえを感じています」と感慨深げ。イベントの展示終了後は、同時開催中の「くにたちマルシェ」の会場でもある谷保第三公園に向け、”近乗り会”と称して旧車がパレード。ハンドルを握るオーナーは沿道の人たちに手を振っていた。
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