そのネーミングの通り同社の高級ツールブランドであるネプロスの魅力を全方位から紹介する展示内容が大注目。従来のミュージアムの様にただ眺めるだけではなく、実際に手で触れて製品のクオリティを体感することができる、ライブ感覚を大切にした展示構成になっているのが特徴だ。コンセプトはズバリ「ネプロスを全身で感じる(感性)ライブ空間」だ。「ネプロスミュージアム360°」は“異空間”を感じさせる演出も凝りに凝っている。まずはミュージアムの入り口のドアノブにはラチェットハンドルが用いられているというこだわりぶり。そしてミュージアムに一歩足を踏み入れると漆黒の空間の中にわずかな明かりが灯り、両サイドには白川砂があしらわれる特別な空間が現れる。ドアの外とは遮断されたまさにネプロスの世界観に迷い込んだ錯覚を覚えるほどだ。その演出はKTC=京都というアイデンティティも強烈に感じさせるものでもある。ミュージアムは6つのゾーンに別れ、ルートに沿って順に体験するスタイルが取られている。エリア1は「こんなところにネプロス」。WRCに参戦するTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamに採用されるKTCの工具が展示され触れることもできる。ビデオやスライドショーでラリーの模様を紹介されていてプロのレーシングメカニックによる整備の模様も擬似的に体感できる。「これと同じ工具が欲しい」「こんな工具を使ってみたい」という思いがますます強くなる展示となっている。エリア2は「ネプロス解体新書」。時代と共に進化してきたKTCの工具について紹介するコーナーであり、公差の少ないネプロス独自の規格についての紹介や冷間鍛造による製造のメリットなど、工具好きにはたまらない超マニアックな紹介が満載。さらにネプロスのラチェットハンドルの太さの意味(太すぎず細すぎず)を実際に手にして体感できるコーナーなど、ネプロスの設計思想に触れられる貴重なコーナーでもある。