人口減少や高齢化などで人材不足が社会問題になっている昨今。配送ドライバーや介護士、保育士の不足にはじまり、ここ最近、新聞紙面やテレビのニュースなどを賑わしているのが、人材不足問題だ。若い世代の「なり手不足」が原因として挙げられるが、原因は決して“そこ”だけでなく、人手不足が叫ばれる業界に共通する、過酷な「働く環境」も大きい影響しているという。政府は、深刻化する人材不足解消を目指し、外国人労働者の受け入れと共に推進するのが「健康な高齢者」による人材の確保を推進している。政府がこうした指針を示すのには増加する高齢者、不足する労働力が関係している。2017年の総人口は16年から21万人減少した一方で、65歳以上の高齢者は57万人増加した。加えて総人口に占める高齢者の割合も27.7パーセントとなり、過去最高を記録した。この統計はすなわち15歳から64歳の生産年齢人口の減少をも示すものだ。実際中小企業、特に製造業などにおける人材不足は顕著になりつつある。労働力人口の減少は今後も進んでいくと考えられ、内閣府「平成28年版高齢社会白書」によると、日本の総人口中に占める65歳以上の割合は、2035年には33.4%になり、実に人口の3人に1人に達すると考えられる。人手不足や労働者の高齢化によって、体に装着して筋力を補う「アシストスーツ」の導入が広まっている。重い荷物や人を運ぶ重労働現場での負担軽減に、アシストスーツが役立っているという。需要が広がる中、ベンチャーから大手までさまざまな企業がアシストスーツの開発に乗り出し、高機能化も進んでいる。最近は物流倉庫に加え、農業や介護施設などの現場でも導入が増え、今後も市場拡大が見込まれている。ユーピーアール株式会社(東京都千代田区・酒田義矢社長、以下UPR)は、腰や身体への負担を軽減する、低価格のアシストスーツ「サポートジャケットBb+FIT」を開発し、9月に東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2018」で披露した。もともとUPRは、物流パレットを作っている会社。倉庫などで使用する作業員向けのアシストスーツを展開している。◆開発者の想いわれわれ編集部は、サポートジャケットの開発に携わったUPRアシストスーツ事業部長の長澤仁氏に話を伺う機会を得た。長澤氏:「女性の社会進出も進む中これまでのアシストスーツは、パワフルだが高くて重いという課題があり、女性や高齢者には使いづらく導入を見送っていた会社が多くありました。新しいサポートジャケットは、色・デザインにもこだわりながらも、2000件を超える現場でデモを実施し、導入のしやすさと使いやすさを追求しました」編集部:「なるほどこうして見るとマッスルスーツはロボット的ですよね」長澤氏:「そうですね。今までのアシストスーツの価格は安価ではないので、簡単に導入できるものではありません。もっと世の中に普及させるためには“低価格”は必須でした。高齢化・人手不足に悩む職場にも導入しやすい価格で提供したい、とにかく世の中に普及させたい、そんな気持ちからこのサポートジャケットの開発が始まりました」編集部:「サポートジャケットの最大の強みは何ですか?」長澤氏:「独自で開発した第二の背骨(Bb+)と呼ばれるこの“骨”が一番の違いです!実は職場で発生する病気やケガのうち、“腰痛”は全体の約60%を占め、腰の悩みの要因は、“持ち上げ動作”や“前かがみ動作”と言われています。第二の背骨が悪い姿勢を理想的な姿勢に導き、腹筋や背筋などの筋肉を正常に機能させ、腰の負担を軽減することができるのです」長澤氏:「腰への負担を軽減するためには、何よりも“良い姿勢”をとることが一番です。そのためには“背骨”がとても重要です。悪い姿勢から良い姿勢にするだけで、間違いなく腰の負担は減ります。人間本来の当たり前のことを改善しなければと気づかされました」編集部:「製品化されるまでにどのくらいの年月が掛かったのでしょうか?」長澤氏:「開発陣と研究陣との間で、意見をぶつけ合いながら、細部まで徹底的にこだわりました。開発にはおよそ2年の時間が掛かりましたね」編集部:「今の時代背景に実にマッチした製品ですね」長澤氏:「人材不足の中、そろそろ会社側が現場の方々の腰に投資する時代になってきたように思います。そのために利幅は少なくても低価格で普及させて、腰に保護具をつけるという文化が根づけばと願っています。現場でヘルメットをかぶるのが当たり前になったように、サポートジャケットを身につけるのが当たり前の世の中もすぐそこまで来ています」編集部:「開発のお話を聞いてしまうと、2万5千円という価格はバーゲンプライスですね」長澤氏:「腰痛予防対策は、国策としても取り組んでいる社会問題。低価格なこの製品は、腰痛予防対策が必要ないろいろな分野の皆さんに効果が期待できるものと確信しています。自動車業界の現場で働く皆様の負担も低減できると思います」編集部:「整備・鈑金・カーディテイリングなど、アシストスーツのニーズは確実にありますね。次回の物流展でもさらに進化した製品が見られそうですね」長澤氏:「目的用途に合わせて、バリエーションも整いました。業種のジャンルを問わず広く横展開をしながらも、皆様のご期待に添えるよう開発を進めて参りますので、ぜひご期待ください」サポートジャケットは、すでに10月のリリースを予定している。装着するだけで背骨の位置や姿勢を最適に保ち、力を出しやすく、ホールドしやすくしてくれるサポートジャケットの導入を検討してみてはいかがだろう。◆Bb+(バックボーンプラス) 理論背骨から骨盤にかけ、もう一つの体幹を生みだすために「第二の背骨(Bb+)」を独自開発。人の構造と同じアーチと適度な可動性により椎間板の圧力増加を抑制し負担の少ない姿勢角度をキープさせる事で作業姿勢における理想的なカタチを作り出す。<サポートジャケットBb+FITの特長>● 第二の背骨(Bb+)で理想的な姿勢へ誘導● 腰ベルトの調整ダイヤルで瞬間的に最適なフィット感を実現● パワーベルトで前屈や起き上がりをアシスト● 第二の背骨(Bb+)を取り外して洗濯機で洗える
サッチャムリサーチの提案により、中国EVチェリーが英国で発売する新型車は「修理しやすい」ボディ設計を採用【自動車修理のアセスメント最前線】 2024.10.31 Thu 9:01 2024年10月29日、ロンドン西部バークシャー州に本社を構える英…
タスカン、ロータス・エスプリ、まさかのフォードGT40まで! クルマ好きが所有する名車たち80台…飯田丘フェス・南信州名車倶楽部 2024.11.8 Fri 20:08 長野県飯田市の恒例イベント『飯田丘のまちフェスティバル』が1…