今年で初開催から20周年を迎えた「国際バラとガーデニングショウ」。さまざまな庭師がガーデンデザインを競うガーデニングゾーンの一番奥のほうにあるのは同ショウへの協力企業、ホンダのコンセプトガーデン。2階建ての四角いモルタル風小屋が目印だ。今年のガーデンは、定年を迎えた夫婦が地方にプロヴァンス風のミニカフェを開くというイメージで作ったという。キーワードはフランスで今流行っている、アンティックまではいかないが使い込まれた古い家、古い食器、古い調度品を大事にする「ブロカント」。肩に力を入れないオールドライフスタイルだ。外壁はクリームを帯びたグリーン。表にはトールペイント風の古典的な看板。お店の名前はRooster(雄鶏)Cafe。入り口横にはメニューも描かれている。個人的には店名やメニューもフランス語で行っていただきたかったところだが、雰囲気はよく出ていた。中庭に面する店の裏側には古い木の柱や屋根瓦を使った、まさにブロカントを地で行くようなジオラマとなっていた。室内には古い食器や調理器などにまじり、100V家電を使用できるリチウムイオン電池「リベイド E-500」など新しいツールも置かれていたが、それらもブロカント風にデコレーションされるという念の入りようだった。ジャルダンには至る所にホンダ製品が置かれていた。メインは昨年発売された軽ミニバン『N-BOX』の「バーバパパコレクション」。4月にホンダアクセスが発売した純正用品だが、フル装着した実車はこのショウが初見参だという。そして、バラとガーデニングショウに初めて持ち込まれたのが乗用タイプの刈払い機。今回のような小さな庭には必要はないが、地方に広い敷地の家を構える場合には有用であろう。小さな庭向けには自動走行型の芝刈り機「Miimo(ミーモ)」。これは会期中、刈払いのデモンストレーションを行うとのことで、傾斜地もある庭をどこにもぶつからず、賢く走り回っていた。ほか、落ち葉吹き飛ばし機、カセットガスで動く発電機「エネポ」や耕運機「サ・ラ・ダCG」など、ガーデニングに有用なパワープロダクツ製品が目白押しだった。今回は実際にカフェを開くことをイメージした庭づくりであったが、自分の趣味、イメージを建物づくりや庭造りを通じて形にするというライフの提案は、カフェを開業するしないにかかわらず有用だ。とりわけ郊外や田舎では、友人同士の住居を行き来する距離もながくなりがちだ。それぞれの趣味性を生かした気持ちの良い空間を作れば、長い距離を押しての交流の頻度は高くなる。人の輪を広げていくことは地方活性化に欠くことのできない重要なファクターだが、そのイメージ作りという点でもホンダの提案は有意義なものと言える。「第20回国際バラとガーデニングショウ」は埼玉のメットライフドーム(西武ドーム)で5月23日まで開催される。会場では庭デザインの提案、新種を含めた世界のバラ、フラワーアレンジメント、ガーデニンググッズなど、多彩な展示が行われている。また、インスタ映えを狙ったスポットも多数。ガーデニング、田舎暮らしに興味の或る人にとっては絶好の見学イベントといえそうだ。