4月21日から22日にかけて開催された第29回マロニエランin日光が閉幕した。主催はマロニエランin日光実行委員会。第29回マロニエランin日光が22日のコンクール・デレガンスの表彰式を会場となる中禅寺金谷ホテルにて行われ、終了した。これまでにないくらい快晴となった2日間、戦前から1990年代までの幅広い参加車を集めたマロニエランin日光。初日となる21日は日光霧降アイスアリーナ(栃木県日光市)に集合。そこでジムカーナを行ったあと、ツーリングにスタート。大笹牧場(栃木県日光市)や日光いろは坂などをドライブし、最終的に宿泊場所となる中禅寺金谷ホテル(栃木県日光市)にゴールした。その夜はお洒落をしてウェルカムパーティだ。美味しい食事と会話を楽しむひとときはこのイベントに欠かせないもので、これが目的に参加をする人がいるくらいだ。そして22日はホテル前にてコンクール・デレガンスが行われた。もちろん通常のコンクールのようにオリジナル度なども評価されるのだが、それ以上にオーナーとそのクルマの関係性、またヒストリーが重要視され、審査員いわく、“独断と偏見に満ちた”審査なのだが、参加者もその審査方法に笑いで応え、マロニエ独自の審査方法が定着している。参加メンバーの顔ぶれがあまり変わらない世間でも珍しいクラシックカーイベントが大きな特徴だが、今年は、常連の中でもクルマを変えてのエントリーや、長く歴史を刻んできたクルマが複数台見られ、その中のいくつかがコンクールで受賞した。以下、受賞車両とその理由である。・マセラティメキシコ(1968)今回の参加車両の中で一番感動するほど年輪が刻まれたクルマ。またオーナーは最初の頃からイベントにも参加している。オーナーからは、「昨年の1月にクルマを宇都宮の工場に運び込んで、一年かけて動くようになった。その前の35年間は倉庫に保管されていたままになっていた」と述べ、内外装はその時のままを維持しながら、機関を稼働状態に戻し、現在ベストコンディションに近づいている。・モーリスミニトラベラー(1968)とモーリスマイナートラベラー(1969)似たようなクルマ2台、2世代で参加。ファミリーということで受賞。オーナーは、「いつも速いクルマに乗ってくるのだが、今回は木枠2代揃え、親子での参加」とコメント。・ポルシェ911T(1973)「ワンオーナーカーにマロニエの審査員は非常に弱く、それは参加者も同様だ。過去にも賞を差し上げたことはあるが、年々オリジナルを壊さないように綺麗になっていく。今回もシートが切れてしまったので今は違うシートをつけていながらも、オリジナル塗装を保っているなど、感動的な状態を保っている。通常は、乗っているうちに嫌になって止めてしまったり、次は何を買おうと思って乗る人も多いと思が、このクルマは良い状態を保ちながら年々綺麗に、調子が良くなっていく」と審査委員長は高評価だった。・ランチアテーマ8.32(1989)「このクルマが今走ってること自体が不思議だ。トラブルの塊みたいな時期があり、だいたい捨てられてしまったりした。維持管理が大変で、あまり品質の高くない時代のランチアに、フェラーリのエンジンを搭載し、さらに暑い日本で乗ろうというのはオーナーに対する功労賞以外の何者でもない」との受賞理由に対し、オーナーは、「本当は古いクルマで来ようと思ったのだが、たまにはエアコンのついているクルマで来たいなと思った。そうしたら、登りではエアコンを切って窓を開けて、登りきったらガスが来るのか来ないのか、エンジンがばらついてしまい、ガソリンスタンドで給油をしてでもすぐに満タンになってしまった。今日帰れるかなという不安がある」と笑いを誘いながらも、受賞に嬉しそうだ。・マセラティギブリ(1995)「マロニエランは来年30周年。その顔ぶれはほぼ常連で、みな一緒に30年、年齢を積み重ねてきた。そこに若い方が来てくれた。今後は周りの人たちを”そそのかして”もっと仲間を増やしてもらわないと、我々の高齢化を止めることはできない。また、それ以上にこのクルマはマニュアルトランスミッションで非常に数が少ないく、若い人のマニュアル離れも非常に多いのでこれも大きな受賞理由。現在22歳のオーナーは、「このイベントは来年30周年ということで、今後もずっと続けていってもらうためには若い人たちもいっぱい来た方がいい。今後は友人も含めて20代30代の人をどんどん呼んでいきたい」と力強いコメントを披露。また、子供の頃からギブリが欲しく、貯金をして自力で購入したという。そのほか、・アルファロメオジュリエッタスプリント750B・ロータススーパー7シリーズ4・MGAが受賞した。前述の通り多くの常連、中には皆勤賞の参加者が複数いる一方、ここ数年は親子での参加や若い人たちも増えつつあり、今回も受賞者の中にそういった人たちが含まれていた。そういった若い人たちを温かく迎え、年が離れた長年の友人のように接する多くの参加者がこのマロニエランin日光を作り上げ、育ててきているのだ。そして来年の第30回ではここしばらく顔を見せていなかった常連や、長くこのイベントに出たいと思っていた新たな人たちが数多く参加し、より一層盛り上がることだろう。
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