ゴールデンウィーク前後になると例年サイバーナビは、新モデルの登場が期待される。昨年はソフトウェアのリリースの関係でずれ込んでしまったが、今年は4月18日、期待通りに新モデルが登場。東京・秋葉原のイベントホールで発表会が開催された。そこで登場した新サイバーナビは、大きく二つの方向性を提案していた。一つはPCやスマホと連携可能な「MapFan コネクト」への対応で、LINEアプリとも連携した新たなコネクテッドの世界を提供していること。もう一つは、音質への徹底的なこだわりで、そのためにカーオーディオで“名機”とまで言われた『カロッツェリアX』の系譜を引き継ぐ初のサイバーナビ「Xシリーズ」を登場させた。今回はまず一つ目の「Mapコネクト」について解説したい。「Mapコネクト」は新サイバーナビで利用可能となったスマートフォン連携機能で、6月に配信される無料アプリ「MapFanAssist」によって実現する。その内容は実に多彩だ。アプリ上で行きたい場所などをブックマークできる「スポットフォルダ」や、あらかじめ目的地としてスマートフォン上で予約できる「スポットリザーブ」、交通情報を反映した出発時間やルートを提案してくれる「ドライブプラン」、駐車した場所を探し出す「マイカーシーク」など、カーナビとしての使い勝手を飛躍的に高めてくれる機能と言っていいものだ。そして、この機能を活かすもう一つの注目機能が与えられた。それが「MapFan BOT」である。これはLINEのチャットBOTを活用したもので、離れた場所にいる人と目的地を決める時などに使うととても便利だ。事前設定は友人や家族とのチャット(トーク)上に「MapFan」公式アカウントを招待するだけ。あとは地図/検索アプリなどに切り換えることなく、チャット上で決めた目的地やルートの共有し、そのままサイバーナビへドライブルートを転送できる。ルートも「推奨ルート」「高速優先ルート」「一般道優先ルート」の最大3つを候補として表示。これらを車内にとどまらず、電車や自宅といったスマートフォンを操作できる環境ならいつでも行え、LINEのグループ機能を使うことで簡単に共有することもできる。これこそMapFan BOTが持つ最大の魅力なのだ。目的地の検索はMapFanコネクトと紐付けされて反映され、そこでは多少キーワードがあやふやな曖昧検索にも対応してくれる。入力はキーボードから原則行うが、キーボード上の音声入力を使ってもいい。キーボードに不慣れな人はこちらの利用がオススメだ。また、MapFanの会員IDを持っていれば、MapFan BOTで探した場所をブックマークとして保存でき、そのデータは対応するサイバーナビに反映させることも可能となっている。パイオニアによればMapFan BOTは後から追加されたものらしく、「この便利さをユーザーが受け入れてくれるか不安に思っている」(担当者)との声があった。しかし、この機能の訴求こそスマートフォン連携に対するハードルを引き下げるのに貢献するのではないだろうか。普段使っているLINE上で目的地設定ができるとなれば、ユーザーの意識は大きく変わり、必ずや普及へとつながると思うからだ。