1990年に、パイオニアが市販モデルで世界初のGPS式カーナビを発売してから27年。その間、市販カーナビは目まぐるしい進化を遂げてきた。発売当時は高価で、一般のユーザーにはとても手が出せるものではなかったが、今ではカーナビの付いていないクルマを探すほうが難しいのではと思うほど一般的な存在となった。現在も個性的なモデルが続々と登場している。最新のオーディオ一体型カーナビ(AVナビ)は、「大画面化」と「安全運転支援」がトレンドだ。家庭用テレビと同様に、クルマの中でも大画面でエンターテインメントを楽しみたいというニーズが生まれたことと、安全運転支援技術が注目されたことで、アフターマーケットでも安全運転支援関連商品の開発が盛んになったことが要因となった。また、最近では「ディスプレイオーディオ」というモデルも登場している。従来のAVナビのナビ機能を除き、スマホをUSB接続することで、「CarPlay」「Android Auto」といったカーナビアプリを使用できるというもの。海外ではポピュラーな、スマホとクルマを連動させるシステムを日本向けにアレンジした商品と言える。ナビ機能を搭載していない分、価格の値頃感が特徴だ。では、カーナビの今後はどうなるのだろう。ここ数年、スマホをカーナビ替わりに使うユーザーが着実に増えている。通信機能を使えば地図はいつも最新で、その多くは無料。専用カーナビはもう必要ないのでは? となってもおかしくない。ただ、スマホカーナビのユーザーの満足度は、専用カーナビに比べて高くないのが現実だ。「画面が小さく、車での使用には適していない。地図も見劣りする」というのがその理由のようだ。以上のようなことに加え、車の内装との一体感や、詳細地図、頻繁な地図更新、独自のエンターテインメント性がドライバーのニーズを支えていて、日本のユーザーは“専用機”を好む傾向にある。こうしたことから、AVナビは今後も生き残り、ユーザーは使用目的や必要に応じて、専用機、スマホを使い分けていくのではというのが大方の見方だ。今やドライブの必需品となったカーナビ。進化は続く。
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