矢野経済研究所は、国内および世界主要国のカーナビ市場の調査を実施、その結果を「2017年度版 カーナビ/DA/スマホナビ/ITS車載機市場予測」にまとめた。調査は国内外のカーナビゲーション、ディスプレイオーディオ、自動車、一次部品などの各メーカーを対象に、2017年8~12月の期間、同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングならびに文献調査を併用して行った。調査結果によると、2016年のカーナビ世界市場規模は前年比10.3%増の2296万1000台。自動車販売台数の拡大に合わせて伸長している。自動車の魅力向上にインフォテインメントシステムが果たす役割が大きくなっており、カーナビはその代表的な存在。今後、世界の自動車市場においてカーナビを含むインフォテイメントシステムの重要性がさらに高まっていくものと予測する。また高級車にはセンター/クラスタ/ヘッドアップディスプレイなどを統合したeコクピット、中・小型車にはDIN型カーナビ、アジア地域の大衆車や米国のKT法(バックカメラ義務化)遵守にはディスプレイオーディオ(DA)、新興国ではスマートフォンナビとPNDといった棲み分けが進む一方で、各国のスマートフォン普及率や政府による大衆車政策などの市場環境等によってカーナビの使われ方が変わる可能性もある。カーナビ市場はまだ伸び続けており、2022年の世界カーナビ市場規模は、2016年比35.7%増の3117万台に拡大すると予測する。純正化の進展やeコクピットへの統合、スマートフォンとの連携など、今後の車載情報端末はeコクピット、カーナビ、PND、DA、スマートフォンナビといった各製品が、各国の文化や言語、生活環境といった市場環境や特性を反映しつつ、地域別需要に適合しながら、共存していくものと予測する。