ゲリラ豪雨が珍しくなくなってきている昨今、豪雪地帯でなくても、大雪に見舞われる可能性はある。雪が積もればクルマはスタッドレスを履けばいい、というものでもない。積もれば除雪しなければ、ほとんどのクルマは走行不能になる。豪雪地帯でなくとも除雪車が必要な存在になりつつあるのだ。ハイウェイテクノフェアでそんな除雪車をアピールしていたのは、日本除雪機製作所。何と自社製の除雪車のRCカーを製作し、除雪作業の模様をデモ展示していたのだ。2.6m級のロータリ除雪車HTR406をスケールダウンしたもので、雪に見立てた発泡スチロールのビーズを掻き込んで右上に排出していく。実はこのRC除雪車、既存のショベルカーなどのRCをベースにしたものではなく、まったくのオリジナル製作。いわゆるワンオフモデルでプロに製作を依頼したため、費用は高級車1台分くらいかかっているそうだ。オーガと呼ばれるら旋状のドラムを回転させることで雪を取り込み、奥にあるインペラーで吸い込んで煙突のようなシュートから雪を排出する仕組みが良く分かった。またシュートは出口部分が開いているだけでなく内側は大きく開口していて、シュートの形状に沿って雪が排出されるということも初めて知った。何しろ、豪雪地帯で除雪車に遭遇しても、立ち止まって近くでゆっくり観察することなど不可能。RCだからこそじっくり眺めて、その働きぶりを知ることができる。またロータリー除雪車は、何か大きな異物を挟み込んだ際にはシャーピンと呼ばれる金属製のピンが破断することで、除雪車内部への異物の巻き込みを防止する構造になっているが、このシャーピンが破断した場合、交換しなければ除雪作業に復旧できないという煩雑さがあった。そこで同社では油圧クラッチを組み込むことで運転席からの復旧操作を可能にする機能をオプション設定したそうだ。これで雪道での安全性がまた高まることだろう。
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