気軽に愛車をイメージチェンジができる「ラッピングフィルム」。カーボン調からつや消しマットカラーなどのカラーチェンジが手軽にできるほか、塗装面を保護する目的としても人気がある。なかでもボンネットやルーフなどの施工は、カスタムとして注目されており、ワンポイント施工やグリルなどのメッキ部品のブラックアウトなども定番のカスタムだ。ラッピングフィルムの進化や施工技術の向上により、施工箇所は発想次第で無限大ともいえる。ニーズの高まるラッピングフィルムだが、事業を展開するワイエムジーワン(山家一繁社長、東京都墨田区)の事業の一つ「LAPPS(ラップス)」と、カーラッピングのプロ集団「WRAP-TECH(ラップテック)」が、実演を通じてカーラッピングの技術や知識の習得が図るイベントを主催した。どうやらこの会が「従来の講習会とは大きく異なる」と聞きつけた編集部は、10月某日に、墨田区のLAPPSスタジオで行われた「カーラッピングフィルム施工体験会」に潜入した。3日間にわたり行われた体験会が、いわゆる講習会やスクールなどと異なる点は、「3Mジャパン社」・「エイブリィ・デニソン・ジャパン社」・「オラフォル・ジャパン社」の3メーカーが、“日替わり”で素材を提供し、それを参加者が施工したという点。体験会では、それぞれのフィルム特性に合わせた施工方法を伝授することが意識されたのだが、その真意は果たしてどこにあるのだろうか?ワイエムジーワンの山家社長は「施工者が(各メーカーの)フィルムの特性を知らないと、業界は縮小してしまう。正しい知識と技術を学んでほしかった」と、その目的を説明した。メーカーによって特性が異なるフィルムは、施工方法もそれぞれで異なり、正しい知識を持たないとユーザーとのトラブルの原因にもなる。それが市場縮小につながる可能性もあるため、注意を喚起する意味でも今回の体験会は重要なものとなった。今後も同様の会を実施することを明言した山家社長は「0(ゼロ)のビジネスを1にする作業も大事だが、その1をにすることも重要。それがカーラッピングのさらなる普及につながる」と思いを語った。技術者、メーカーなどが一丸となり、業界の裾野拡大が目指される。
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