情景師・アラーキーこと荒木智(あらき・さとし)氏をご存知だろうか?幼少の頃に見た特撮映画の影響で模型に興味を持ち、その情熱のまま家電メーカーのプロダクトデザイナーとして働きながら、アフター5と休日のわずかな時間を全てジオラマに捧げ、超リアルなミニチュア情景の世界を創作するジオラマ作家だ。「タモリ倶楽部」「マツコ&有吉の怒り新党」などのテレビでも何度も取り上げられ、ジオラマ作品をまとめた本『凄い!ジオラマ』などの書籍も出版するなどメディアの露出も多い。「実物としか思えない!」「リアルすぎる!」「完璧すぎる!」など、彼が生み出す「超絶リアル」なジオラマが、いま世界を震撼させさせている。百聞は一見にしかず。まずはインタビュー動画をご覧いただきたい。情景師・アラーキーが、イタリアの街を表現して制作したまるで本物のようなジオラマが登場する、フォルクスワーゲン「up!」のプロモーションサイトに公開された「だまし絵動画」が話題となっている。プロモーションサイト「up!-size」は、「小さいから、面白い」というメッセージを込めて、昨今のインスタ映えブームの中でよく用いられている遠近法やだまし絵などの手法を、小さいけど本質的なフォルクスワーゲンらしいユニークな発想で表現されている。また、事前にフォルクスワーゲンのSNSで「映像に隠されたトリックを見抜けるかな?」と投稿したクイズ形式の写真では「建物と人の影の向きが違う?」「建物の窓やドアが絵?」「銅像??」など、様々な意見が飛び交った。どれがトリックなのか?と予想しながら、以下のだまし絵動画をご覧いただきたい。動画を進めてもらうと徐々に分かるが、実はこの写真の「up!」「女性」「海」以外の5箇所にトリックが隠されており、「銅像(女性)」はパントマイマー、「銅像(男性)」はカメラ近くに置かれた小さいフィギュア。「島」は紙。さらに、「建物」と「街灯」は精巧に作られた小さなジオラマだったのだ。情景師・アラーキーが「リアル」を追求するため、汚し(エイジング)塗装などの技法により、本物と見分けがつかないほどのクオリティーが錯覚を起こさせる。さてあなたは、何個トリックを見抜けただろうか?◆制作秘話荒木氏が制作したジオラマや、車や人などのサイズを元に、事前にCGによる本格的な検証が行われた。撮影地もその絶妙な配置に合う場所をいろいろと探し回りながら決定した。晴天の中行われた撮影は、検証通りのそれぞれの配置で順調に進むかと思われたが、カメラ前の「指の位置」と「出演者の位置」が遠く、お互いの動きを合わせるのに苦戦。ノーカットの撮影の中で、指と出演者の動きをぴったり合わせるために、何度も何度も繰り返しの撮影が行われた。指の動きと出演者の反応にも注目してもらいたい。◆メイキング映像はこちら
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