秋晴れの東京湾岸に、誕生50周年をむかえた和製スーパーカーのエグゾーストノートが響き渡った。「日本車史上、最も美しいフォルム」といわれ、たった337台しかつくられなかった「名車中の名車」、トヨタ『2000GT』。9月24日、その生誕50周年祭がメガウェブで行われ、「TOYOTA2000GTオーナーズクラブジャパン」に所属する2000GTが集結。オーナーによるトーク、展示撮影会、同乗試乗会などが行われ、会場は多くの来場者で混雑した。「2008年に、2000万円以上をかけて1967年式を購入。いろいろリペアが必要な部分があったけど、製造業を仕事としているから、ないパーツは自分で図面を描いてつくって補修した」と語るのは、愛知県豊田市の高橋康雄さん。「当初、エンジンを回しすぎて、オーバーレブまで引っ張っちゃって、エンジンをオーバーホールしたこともある。ドア下のサイドシルのサビも激しく、ひとつひとつ手を入れて、ここまで磨き上げた。ワイパーなどは、純正とまったく同じものを精密鋳造で手づくりした」そんな繊細な腕を持つ高橋さんでも、いったん運転席につくと、それは豪快に2000GTを走らせる。助手席に座った記者は、最近のクルマにはない猛烈な加速感と圧倒的な移動空間に震える。思わず「いまのクルマと何が違うんですか?」と高橋さんに聞いてしまう。「キャブレターエンジンだから、いまのインジェクションエンジンのように広域で滑らかには回らないけど、ある領域に入るととたんに元気になる」たしかに、3000回転ぐらいから遠慮なくリニアに加速する。いや加速というよりも、スロットルを開いたぶん以上に前へ出ようとする。興奮する馬に跨っているようで、「待て待て待て、待って!」という怖さと興奮とドキドキが同時にくる。「覚醒する」「アドレナリンがあふれ出す」とはこのことか。メガウェブの構内コースを2周する間に、ドカンと加速して、ツーっと止まるその動きは、「初めての体験」。これまでのクルマにはない、タイトで圧倒的なドライビング空間。降りてくる記者たちは、その年齢や経験を問わず、みんなハイテンションだった。「50年前に誕生したトヨタ2000GTからみなさんにメッセージを届けるかたちで、その誕生と歴史に触れてもらい、現在、そして未来の人たちへ、クルマを操るよろこびや感動を伝えたい」こうした体験会は、11月に愛知・トヨタ博物館でも行われる。11月4日、トヨタ博物館で9時半からの「トヨタ2000GT生誕50周年祭inトヨタ博物館」では、実車が20台集結するほか、午後には今回のような同乗試乗会も実施予定。
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