大阪のディテイリングショップ「カーメイクアートプロ」(堺市美原区・丸山悦顕社長)は、同社のインテリア部門で、運転席や助手席の自動回転シートをはじめとしたカーアダプテーション製品(福祉車両製品)の取り扱いをスタートした。◆ディテイリングショップの豊富な経験を活かす具体的には、スウェーデンに本社を置く「オートアダプト」のカーアダプテーションパートナー(販売代理店)を務め、同社製品の販売や取り付けを行う。ディテイリングショップとしては初めてのケースだが、長年にわたる、内装のカスタムやレストアといった豊富な経験が生かされているという。もともと海外には、「福祉車両」というジャンルは存在せず、自動車メーカーとカーアダプテーション製品メーカーとの連携が確立されていて、手厚いサービスを提供する環境が整っている。ユーザー(身体障害者や家族)はオプション部品の感覚で、必要な機能を自由に選び、自身でライフスタイルをデザインするという考え方が一般的だ。その中で、カーアダプテーションパートナーは、ユーザー、カーメーカー、カーディーラーの「橋渡し」という重要な役割を果たす。ただ製品の取り付けを行うのではなく、顧客のニーズをしっかりとヒアリングし、的確なアドバイスと適切な製品選定を行わなければならず、高い技術力は言うまでもなく、様々な厳しい条件をクリアしなければならない。◆もっとクルマの楽しみを広げたい丸山社長は、「弊社のお客さまも高齢化がすすんでいることもあり、いま乗っているクルマや、好きなクルマにもっと乗り続けたいけれど、身体的な理由などで諦めるというお客さまが増えています」と現状を話した。オートアダプトの製品の特徴は、国産の福祉車両と違ってほとんどの車種に後からでも取り付けできることだ。つまり、ベンツやBMWなどといった、従来は取り付けが難しいと思われていた多くの輸入車にも取り付け可能ということになる。「お客さまのニーズにきめ細かく対応できることが重要であり、最大の魅力です。社会貢献という意味もありますが、もっとクルマの楽しみを広げたいという根本の部分を大事にしていきたいですね」とその想いを語る。3年ほど前から温めていた構想が、いよいよ始動した。今後の動向から目が離せない。
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