自動車部品サプライヤーにとって最大の展示イベントである「人とくるまのテクノロジー展」。今年の展示は、時節柄もあってか自動運転に関する要素技術が目立っているが、アイシングループは、得意とする車両制御技術を活かした特徴のある提案となっていた。アイシンはもともとアクチュエーターを使った車両制御を得意としている。その技術力・ノウハウと、画像認識技術を組み合わせたのが、今年のブースに展示されている「ドライバーモニターシステム」「自動駐車」だ。ドライバーモニターシステムについて、同様の技術は複数社から提案されているが、担当者は「サングラスをかけていても、赤外光によって瞳を検出することができます。このような製品を10年以上前から出荷している経験値もあります」とアピールする。また、アイシンが得意とする車両制御技術を組み合わせて、「ドライバーが意識を失うなどの緊急時には、周辺監視機能とリアアクティブステアリングを利用して、安全に路肩に寄せて停止する」機能を盛り込んだ。また自動駐車機能については、「通常はソナーで障害物を検知しますが、当社の場合はソナーに加え、リアカメラ画像から白線を検出し、より正確な自動駐車ができるようになっています」とのこと。リアカメラで白線を検出する技術も、アイシンでは2008年から「ナビ協調システム」として実用化していたものだ。いずれの提案も、アイシンならではの技術的な強みが盛り込まれており、説得力のあるものとなっている。