NEXCO中日本は4月19日、東京大学大学院情報理工学系研究科と共同で高速画像処理を用いたトンネル内点検技術を開発し、100km/hで走行しながら0.2mmのひび割れを検出することに成功したと発表した。今回のトンネル内点検技術では、東京大学が研究開発した「高速画像処理技術と高速小型回転ミラー」を活用。高速移動中でも画面の中心に被写体(ひび割れ等の損傷)を捉え続けるよう制御し、ブレのない高精度映像の撮影が可能となっただけでなく、撮影に必要な照度を抑えられるため撮影装置の小型化にも成功した。現在、トンネル構造物の点検は、5年に1度、交通規制を行った上で高所作業車を用いて近接目視や打音、触診(詳細点検)により実施している。今回の技術では交通規制なしでひび割れが検出できるほか、小型化撮影機器は一般車両にも搭載可能。点検コストの低減に貢献。トンネル内を撮影し、精度の高い情報を事前に把握したうえで点検に臨むことで、点検の信頼性向上、効率化にも寄与する。NEXCO中日本では、今後も実用化に向けて機器の信頼性の確認や運用体制の確立を引き続き実施し、2018年度の導入を目指す。