18日に開幕した「オートモーティブワールド2017」、アプトポッドのブースで、ドライブシミュレータでラジコンカーを遠隔運転できるデモ展示を発見。ラジコンの操作だけなら普通の技術かと思ったが、話を聞いてみると同社のソリューションはレベル4自動運転車両の実現の鍵を握りそうなものだった。デモは、シミュレータのステアリングやペダル、ギアを操作して、脇にあるラジコンカーを操縦するというものだ。ラジコンカーにはカメラが取り付けられ、シミュレータの画面の映像を見ながら運転ができる。また、市販のスマートシューズを使って運転中の足の動きを計測して、そのデータを車載端末経由でクラウドに送っている。このデモの最大のポイントは、上記の車の遠隔制御とセンサーの常時監視を同時にひとつの車載端末(+クラウド)でほぼリアルタイムで行っていることだ。「intDash」と呼ばれるこのソリューションは、データロガーと制御ECUに通信モジュールを組み合わせた車載端末とintdash PaaSというクラウドによって実現される。intdash PaaSはM2Mデータのハブとしての機能と管理ロジックやサービスを提供するサーバで構成される。サーバのロジックやサービスを利用して、アプリを開発すれば、テレマティクス関連システム、データの可視化、遠隔操作アプリ、センターコンソール向けアプリなども自由に開発できる。リアルタイム性については、センサー等の常時監視に独自プロトコルを利用して、レイテンシを上り下りともに100ミリ秒以下としている。これまでもデータロガーに通信モジュール等を接続し、クラウドや遠隔地にデータを送るシステムやECUを遠隔操作するシステム(スマートフォンによる自動駐車システムなど)は開発されているが、両方を統合したシステムやプラットフォームはほとんどない。理由は高速・広帯域な双方向通信が必要であり、市販車ではまだそこまで統合したシステムのニーズが少ないからだ。しかし、前述のように車がセンシングする要素が増え、クラウドサービスとの連携が自動運転技術にも求められてくると、intDashのようなソリューションは欠かせないものとなるだろう。アプトポッドは、通信モジュールを内蔵したデータロガーやintDashを多くの自動車メーカーに提供している。データロガーは、海外を含む遠隔地の車のデータを計測、モニタリングするために。intDashは、遠隔で走行制御ができるため重機、農機などにも応用されているという。