9月13日からドイツ・フランクフルトにおいて始まった、世界最大規模の自動車産業総合見本市「アウトメカニカ・フランクフルト」。その中でも注目されているのが、「トゥモローズ サービス&モビリティ エリア」と呼ばれる、未来のモビリティやサービスを展示するエリアだ。大手部品メーカーだけでなく、スタートアップも数多く出展するこのエリアの中心で、クルマが縦に並んで2台並べられているブースを発見した。ブースは広いが、置いてある資料がすべてドイツ語のみという「まだ始まったばかり」といった感が満載のブースで話を聞いてみた。ブースの担当者によると、展示しているのは「Connect2Car」というアプリ。スマートフォン、またはスマートフォンを接続したクルマのインフォテインメントシステムから使うことができ、簡単に言えば「LINE」のようなメッセージを送り合うことができるアプリだ。しかしその大きな違いは、メッセージを送る際に必要なのが電話番号でもIDでもなく、ナンバープレートということ。事前に自分のナンバープレートとスマートフォンを結びつけておくことにより、例えば、目の前を走るクルマのブレーキランプが壊れている時に「ブレーキランプが壊れていますよ」と前を走るドライバーに伝えることが可能になる。今回の展示は、目の前のクルマのナンバーなら車載カメラで認識することも可能、というデモンストレーションのためだった。このアプリ、すでにドイツ内ではローンチしており、約1万人のユーザーが使用しているという。しかし送る側だけでなく、受け取る側もConnect2Carをダウンロードしておかなくてはいけないので、「アプリを普及させることが一番の課題」と担当者は話していた。世界展開も進めており、まだ先になるとは思うと言及しながらも、日本でもサービスを始めるつもりだと明かした。ちなみに担当者に、どういった用途で一番よく使われているのか聞いてみると、現在は「やあ、といったあいさつみたいなものが一番多い」とのこと。有用な使い方がたくさんありそうなアプリではあるが、今後どのように使われていくのか、注目だ。