最近よく見かける「ボディコーティング」って何? ワックスと何が違うの? | CAR CARE PLUS

最近よく見かける「ボディコーティング」って何? ワックスと何が違うの?

特集記事 コラム
車を購入する際や、ガソリンスタンドなどで目にする「ボディコーティング」
  • 車を購入する際や、ガソリンスタンドなどで目にする「ボディコーティング」
  • ワックスからコーティングの時代へシフトしている
  • コーティングはボディを傷める様々な要因から守る
  • 【図1】水滴の接触角度
  • 撥水(はっすい)タイプの水のはじき方
  • 親水(しんすい)タイプの水のはじき方
車を購入する際や、ガソリンスタンドなどで目にする「ボディコーティング」。

風雨などのダメージから車を守るためにあるのがコーティングですが、耐用年数の長さや、査定の面でも有利になることから、近年その需要が高まっています。今回は、「ボディコーティング」について解説します。


◆ワックスからコーティングの時代へ

ワックスからコーティングの時代へシフトしている
従来、車のお手入れというと「ワックスがけ」を想像されることが多いと思います。ワックスは植物性の油脂が主成分で水性が高く、「キズを目立たなくする」「艶を出す」という点でとても優遇されてきました。

しかし、汚れやすく、熱や雨などにも弱く、洗車や太陽・エンジンの熱で落ちてしまうなど課題も多く、時代の流れと共に進化を続け、ワックスに替わる方法として「ボディコーティング」が台頭してきました。

ボディコーティングとは、その名の通り、ボディ(=自動車塗装表面)を樹脂等でコーティング(=薄い膜をつくる)するということ。 単にピカピカに輝かせるのではなく、キズや汚れをつきにくくする、それがボディコーティングの本当の役割なのです。

現在では、一時的な光沢性(ツヤ)や撥水性(水弾き)を得るものをワックスと呼び、シャンプー等による洗車でも剥れない耐久性の高いものは、ボディコーティングと呼ばれています。


◆ボディを傷めるさまざまな要因

〈要因1〉糞害
酸性の鳥の糞が塗装に付着してしまうと、たとえコーティング処理されていても塗装膜まで浸透し、酸化・腐食してしまうことがあります。


〈要因2〉イオンデポジット
ボディに付着した水滴が蒸発する際に、雨の汚れや水道水のカルキなどが塗装に固着してできる白い輪状のシミ。


〈要因3〉ウォータースポット
ボディ上にある水滴がレンズ効果となり、虫眼鏡のように日光を集めて塗装を傷めてしまいます。

コーティングはボディを傷める様々な要因から守る

◆コーティングの種類

ボディコーティングには、たくさんの種類があります。大きく分類すると、油脂系、樹脂系、ガラス系となります。


〈油脂系コーティング〉
油脂とは、油です。つまり油を塗って水をはじき、コーティングにしたものです。ワックスと一部のポリマーが油脂系になります。水は油と混ざらないという性質を利用したもので、非常に施工が簡単なことがメリット。逆に、雨で流れたり、非常に早く劣化してしまうこともあります。


〈樹脂系コーティング〉
樹脂系とは、高分子化合物を塗布するもので、イオン結合や分子結合により密着させます。いわゆるポリマーやフッ素系、ガラス系 の一部が樹脂系になります。比較的安価に、簡単な作業で光沢を作り出せます。逆に、長持ちしないことや、ワックスと同じく劣化により塗装にダメージを与えてしまうものが多いことが デメリットです。


〈ガラス系コーティング〉
ガラスコーティングの元となるガラス繊維に、他の成分を混ぜたモノでコーティングをします。 後で記載するガラスコーティングとの違いは、この他成分を混ぜた混合物だということ。ガラスコーティングと比べると、さまざまな面で劣ってしまうものの、先に挙げた油脂系・樹脂系と比べると効果が長期間持続します。


〈ガラスコーティング〉
ガラスコーティングは今のところ、最高のボディコーティングと言われ、ガラス特有の高い透明性を持った被膜により、ボディーを守ります。本物のガラスコーティングは、とにかく長期間の持続が魅力。しかし素人では施工が難しく、外注費などのコストが掛かってしまうのがデメリットです。汚れやウォータースポットの付着が少ないのが特徴です。


◆水のはじき方について

【図1】水滴の接触角度
水のはじき方は大きく分けて2つあり、撥水(水をはじく)ものと、親水(水に馴染む)ものがあり、水滴の接触角度(上図イメージ参照)によって変化します。


〈撥水タイプ〉
撥水はしっかりと水をはじきます。水分が小さな水玉になるのが特徴です。油脂分が大量に含まれていることが多く、その油脂分が劣化し塗装まで浸食、 さらには、ウォータースポットを発生させることもあります。
撥水(はっすい)タイプの水のはじき方

〈親水タイプ〉
親水は、水をはじきません。このボディ全体に広がる水が、表面に付着した汚れを流していくため、きれいな状態を維持できますが、コーティングの効果が残っているのか無くなっているのかに気づきにくいという点があります。
親水(しんすい)タイプの水のはじき方


以上、ボディコーティングについて理解できましたか?

コーティングの日頃のメンテは、水洗い洗車のみで大丈夫という謳い文句の商品が多くありますが、中には水洗いでは落ちにくい汚れもあるので、やはり日頃のメンテナンスが重要になります。コーティングの種類の優劣ではなく、特性を良く理解して、賢く選んで使用することが何よりも大切ですね。


また、最近ではボディーショップなどでハイクオリティーなガラスコーティングの需要も高まっています。自分でコーティングするのも良いですが、プロショップの扱うコーティングを一度試してみてはいかがでしょうか? プロの仕上がりにきっと驚くはずですよ。
《カーケアプラス編集部》

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